2021年4月17日(土)
まん延防止拡大報告受け質疑
五輪中止決断迫る 塩川氏
医療現場に支援を 倉林氏
衆参議運委
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衆参議院運営委員会は16日、「まん延防止等重点措置」の適用拡大にあたり政府から事前報告を受け、質疑を行いました。日本共産党から塩川鉄也衆院議員、倉林明子参院議員が質問しました。
塩川氏は、高齢者へのワクチン接種が始まる中、医療従事者への接種がまだ終わっていないと指摘。医療従事者、高齢者の接種完了時期についてただしました。西村康稔経済再生担当相は「自治体によって差がある」としか答えませんでした。
塩川氏は、雇用調整助成金のコロナ特例が5月から縮小されることについて、まん延防止等重点措置地域が10都府県に広がり、総人口の5割にも及ぶと指摘。「第4波といわれている時に、特例措置は維持・拡充すべきだ」と強調しました。
また、自民党の二階俊博幹事長が東京五輪・パラリンピックの中止に言及したことに触れ、「五輪の中止を決断し、関係機関と協議を行うべきだ」と迫りました。西村担当相は流行の波は必ず発生するとしつつ、「最終的な判断はIOCだ」と応じませんでした。
倉林氏は、大阪府の1日の新規感染者数が1200人を超え、全国で4500人に上ると指摘。直近1週間の新規感染者数は10万人あたり18人だと強調し、「第4波に入っている認識はあるのか」とただしました。西村担当相は「2度目の緊急事態宣言を発令したとき以来の大きな波がきつつある」と述べるにとどまりました。
倉林氏は「大阪は医療崩壊に突入している」と指摘。重症者専用の臨時施設「大阪コロナ重症センター」では看護師が確保できず十分に稼働できていないとして、医師・看護師の派遣を求めました。西村担当相が「必要な人材を確保できるよう支援したい」と答えたのに対し、「早急に実行を」と迫りました。
また、奈良県が改定感染症法16条に基づいて県内75病院に病床確保を要請していることについて、「従わない医療機関名は公表できる。こうした手法で病床確保が進むと思うか」と指摘。「医師・看護師なしにベッドは稼働できない」と強調し、大規模検査や徹底的な補償を求めました。