2021年4月16日(金)
少年法全体 変質招く
藤野氏「介入原理が争点に」
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日本共産党の藤野保史議員は14日の衆院法務委員会で、少年法改定案について、18、19歳の少年に対し、保護よりも刑事責任を追及する色合いが濃くなり、同法全体を変質させる危険があると批判しました。
藤野氏は、同案をまとめる過程で、民法上成年となり親の監護権に服さなくなった18、19歳を少年法では保護処分の対象とし、一定の人権制約をする際の根拠(介入原理)が争点になったと指摘。6日の参考人質疑で川出敏裕東大教授は、介入原理は“保護”ではなく、犯した罪の責任を問うものに変わるとの見方を示したとして政府の見解をただしました。
法務省の川原隆司刑事局長は「一概に答えるのは困難だ」と答弁。藤野氏は、介入原理を変えれば「少年法全体に作用し、(保護から刑事責任追及へと)変質する危険がある」と批判しました。
さらに、実名など本人と特定できる報道(推知報道)の解禁をめぐり、家庭裁判所では現在、公開の場で裁く刑事事件でも、被告人や証人の名前は読み上げずに書面で確認し、傍聴席から顔が見えない位置に被告人を座らせるなどの配慮が徹底されており、法改定後も続けるとの立場だと指摘。「少年法1条(少年の健全育成)の理念が刑事事件に及ぶからだと説明され、感銘を受けた。政府は『公開の法廷で刑事責任を追及される立場になる』から解禁だと言うが、その理屈は通らない」と強調しました。