2021年4月16日(金)
米大統領 アフガン撤退 正式表明
「米国最長の戦争止めるとき」
【ワシントン=遠藤誠二】バイデン米大統領は14日、米国で起きた同時多発テロの20年にあたる今年9月11日までに、アフガニスタンに駐留する米軍を完全撤退させると正式に発表しました。
ホワイトハウスで演説したバイデン大統領は、トランプ前政権がアフガニスタンの武装勢力タリバンと合意した米軍撤退完了期日の5月1日に撤退を開始し、「米軍とNATO(北大西洋条約機構)連合軍らは9月11日の記念日前までにアフガンから去る」と明言しました。
大統領は「戦争は数世代にわたるはずのものでは決してなかった。われわれは明白な目的をもって戦争に突入し、その目的は成就した」と述べ、自身が副大統領だったオバマ政権時代の2011年、同時多発テロ首謀者であるオサマ・ビンラディン容疑者を殺害したことでアフガン戦争の目的は達成していたと主張。「アフガニスタンで米軍駐留を拡大、延長させるサイクルを続けることはできない」「われわれの外交は米軍の存在に依存するという考えは変えなければならない。米軍は外国において敵対する勢力の交渉材料となってはならない」と強調しました。
バイデン大統領は、「終わりなき戦争」と言われたアフガン戦争で、これまでに米兵ら2488人が命を落とし2万人以上が負傷したと述べ、「米国最長の戦争を止め、米部隊を帰還させる時だ」と指摘。「軍事的な関与ではなく外交、人道の取り組み」で同国を支援する考えを示しました。