2021年4月15日(木)
NHK 異論排除?
聖火中継で「五輪反対」の音声消す
聖火リレーの模様を逐一報道するなど、東京オリンピック・パラリンピック開催に前のめりのNHK。聖火リレーを生配信している特設サイトの映像で「五輪反対」の音声を消していたことが、ネット上などで「異論を排除」などと話題になっています。
これは、1日の長野市内でのリレーで男性ランナーが走っているとき、「オリンピックに反対」「オリンピックはいらないぞ」といった声が聞こえてきた直後に音声が途切れ、30秒ほど後に“復活”したというもの。
日本共産党の志位和夫委員長も、「これは深刻な事件だ。事実そのものを抹消するとは。いつから日本は、スターリン弾圧下の旧ソ連のような体制になったのか」とツイートしています。
NHKは、「さまざまな状況に応じて判断している」としていますが、抗議の声をかき消し、何が何でも五輪開催に突き進む政府に忖度(そんたく)したのでは、といわれても仕方がありません。
今年度の国内放送番組編成計画で、「コロナ禍の中での大会実現へ向けた様々な取り組みなどを関連番組などで発信していきます」と“宣言”しているNHK。世論調査(9~11日調査)でも、「再延期する」の選択肢が消え、「IOCなどは、開催を前提に準備を進めています。どのような形で開催すべきだと思うか」という設問で、世論を「開催」に誘導しようとしています。
コロナ感染が再拡大するなか、本当にこのまま五輪を開催していいのか、公共放送として、多様な意見を取り上げることこそ求められています。(藤沢忠明)