2021年4月11日(日)
教育・医療など増額
米大統領 予算教書の一部発表
【ワシントン=遠藤誠二】バイデン米大統領は9日、2022会計年度(21年10月~22年9月)予算教書の主要部分を議会に提出しました。前トランプ政権とはうって変わり、教育、医療、環境分野での予算を増加させる内容です。本格的な予算教書は今春中に提示する予定。
総額約1兆5200億ドル(歳出的経費、約166兆円)の予算は前年度比8・4%増。うち非軍事分野は16%増の7690億ドルです。
教育省予算は41%増の1020億ドル。低所得家庭の児童を支援するための学校援助に200億ドル増の365億ドル、低所得家庭児童の早期教育に12億ドル増の119億ドルをあてます。
厚生省予算も23%増加。国立衛生研究所(NIH)での、がん、糖尿病、アルツハイマー病などの研究費用に65億ドル、新型コロナウイルス対策にとりくむ疾病対策センター(CDC)の予算も16億ドル増の87億ドルと大幅に増やします。
気候変動対策予算も増やし140億ドル。クリーンエネルギー開発のためエネルギー省の予算、トランプ前政権が大幅に減らした環境保護局(EPA)予算を増やします。
その他、低所得家庭への住宅手当に304億ドル、富裕層や企業の納税監視にむけた国税庁予算10億ドル、米国に渡る移民を多数、出している中央アメリカ諸国への支援に8・6億ドル拠出します。
一方で、国防費は1・7%増の7530億ドル。インフレを換算すると実質微減となります。
行政管理予算局(OMB)のシャランダ・ヤング副局長は予算教書について、「新型コロナウイルス感染の拡大とそれによる経済的な打撃から立ち直り、米国を以前に戻す機会となるだけでなく、より良く、より強く、より安全で、多くを包含する米国を構築するためのものだ」と強調しました。