2021年4月11日(日)
軍関係者に制裁を ミャンマー国連大使が訴え
安保理会合 ASEANへ支援表明 中国は非難せず
【ワシントン=島田峰隆】国連安全保障理事会は9日、軍による市民弾圧が続くミャンマー情勢について非公式の公開会合をオンラインで開きました。ミャンマーのチョー・モー・トゥン国連大使は「緊急の行動が必要だ」と強調。発言したほとんどの国は国軍によるクーデターを非難し、平和的解決を目指す東南アジア諸国連合(ASEAN)への支援を表明しました。
チョー・モー・トゥン大使は2月末、国連総会でクーデターを非難し、国軍は一方的に「解任」を発表しました。しかし今も職にとどまり、9日も「ミャンマー国民を代表して」発言しました。
同大使は、ミャンマーでは国軍により600人以上が殺害されていると指摘。「一日待てば軍はさらに多くの人を殺害する」と述べ、「あらゆる手段で遅滞なく可能な限り強力な行動をとってほしい」と訴えました。
大使は、国軍の空爆による被害を避けるために飛行禁止区域を設定することや、武器禁輸措置の強化、軍関係者への制裁強化などを呼び掛けました。
各国大使はクーデターを非難し、市民に対する暴力、拷問、恣意(しい)的拘束の停止、国連特使の訪問受け入れなどを軍に求めました。発言したほぼすべての国が、ASEANが近く開く首脳会議を歓迎し、支援を表明しました。
ノルウェーは「困難な情勢のなかASEANが果たそうとしている建設的な役割を支援する。ASEAN加盟国のイニシアチブに励まされている」と述べました。
ベトナムは「ASEANは積極的、平和的、かつ建設的な方法でミャンマーを支援する準備があり、あらゆるメカニズムを使って支援している」と語りました。
中国はASEANへ支援を表明しつつ、「国際社会はミャンマーの各勢力が意見の相違を小さくできるように奨励すべきだ」として、クーデターを非難しませんでした。