2021年4月1日(木)
誰もが使える生活保護に
扶養照会は人権侵害
全生連が集会、実態告発
全国生活と健康を守る会連合会(全生連)は31日、衆院第1議員会館で集会を開き、生活保護申請時の扶養照会などが障壁となり、必要な人に支援が届いていない実態を告発しました。
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党議員あいさつ
扶養照会は、福祉事務所が生活保護申請者の親族に援助が可能かどうかを問い合わせるもの。西野武事務局長は、諸外国は一親等までなのに対し、日本は三親等までに照会があると指摘。扶養照会で人間関係が壊れることを懸念し、多くの人が自ら申請を断念していることにふれ、「田村憲久厚生労働相が『扶養照会は義務ではない』といった以上、誰もがためらわず申請できる制度にするべきだ」と訴えました。
日本共産党の水戸市議の中庭次男さんは、水戸市の扶養義務調査員が訪問した825件のうち、経済的援助が可能だったのはわずか4件で額は3万円だったと強調。「調査員の人件費の合計は2000万円にものぼった。税金の無駄遣いだ」と批判しました。
奈良県から参加した飯尾大彦さんは、歩行が困難で就労不可の診断を受けていた男性に職員が就労指導をしていたことを取り上げ、「まるで実情を見ないような就労指導だ」と批判しました。
親から虐待をされていたYさんは茨城県で生活保護を利用しています。申請時にケースワーカーが扶養照会の説明をせず、無断で親と面談。ほかの親族にYさんのことを知られたくないと考えた親が「仕送りをする」とケースワーカーに答えましたが、実際は一度も送金はありませんでした。市はこのことを十分に確認せず、減額処分を実行したと告発しました。
30年も会っていなかった父親に、扶養照会をされたと話したのは石橋妙美さん=北海道=。新しい家族と暮らす父親にまで扶養照会をする実態は人権が配慮されていないと指摘。「人権無視の扶養照会はきっぱりやめるべきだ」と訴えました。
吉田松雄会長代行は、社会保障を充実させ、生存権を守る政治にしようと呼びかけました。
日本共産党の田村智子政策委員長・参院議員、高橋千鶴子衆院議員、山添拓参院議員が参加し、あいさつしました。