2021年3月31日(水)
香港選挙 支配へ改変
中国 全人代常務委が可決
【北京=小林拓也】中国全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会は30日、香港の選挙制度改変を全会一致で可決しました。全人代が11日採択した決定の具体化で、中央政府が香港の選挙を支配する仕組みとなっています。
全人代常務委は、香港の憲法に当たる香港基本法の行政長官選と立法会選について定めた「付則1」「付則2」の改定案を167票の全会一致で可決。これに基づき、香港政府が今後、関連法を整備する見通しです。
採択された改変内容は、立法会の定数を現行の70から90に増やすものの、直接選挙枠は現行の35から20に減らします。香港の民主派はたとえ立候補できたとしても、立法会で影響力を及ぼせる議席数を得ることができなくなりました。
行政長官を選ぶ選挙委員会も増員し、中央政府の意向を通りやすくした上で、権限が強化されました。
栗戦書(りつ・せんしょ)常務委員長は閉会のあいさつで、「『愛国者による香港統治』原則が貫徹され、中央の香港に対する全面的統治権が効果的に実施される」と述べました。
また香港の林鄭月娥(りんてい・げつが)行政長官は同日、新型コロナを理由に延期され、9月に予定されていた立法会(議会)選挙を、12月に再延期する考えを表明しました。