2021年3月31日(水)
辺野古に税金で娯楽場
ダンスホール・ボウリング場…岩国でも
防衛省答弁 井上議員が批判
防衛省は30日の参院外交防衛委員会で、沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設に伴うキャンプ・シュワブ陸上部の再編の一環として、米軍のための娯楽施設であるボウリング場とダンスホールを整備する計画を明らかにしました。費用は全額、日本側の負担です。日本共産党の井上哲士議員の質問に対する答弁。(関連記事)
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日本政府はこれまで、日米地位協定上も負担義務のない米軍思いやり予算の一環である「提供施設整備」(FIP)で、1980年代以降、米軍基地内にボウリング場や映画館、ゴルフ場など多数の娯楽施設を提供してきました。すべて日本国民の税金で負担していることから、国民の批判が噴出。このため、2000年以降は提供を控えてきました。
ところが、防衛省の土本英樹整備計画局長は井上氏の質問に対し、シュワブ陸上部への娯楽施設建設は、「日米両政府が06年に合意したロードマップに基づく米軍再編事業」に基づくものであると正当化。ボウリング場とダンスホールの費目は「既存の福利厚生施設の再配置」で、用地造成工事のため約4・5億円の契約を結び、今後建物の本体工事を発注すると述べました。本体工事を含めた総額は明らかにしませんでした。
岸信夫防衛相はさらに、米軍再編ロードマップの一環である米空母艦載機部隊の岩国基地(山口県岩国市)への移駐でも、再編経費による娯楽施設の提供を行ったことを認めたとした上で、「福利厚生を維持するための施設を含めることは在日米軍の安定的な駐留を確保するために必要だ」と正当化しました。
井上氏は、「思いやり予算では娯楽施設は提供できないのに、米軍再編では提供する。矛盾している」と批判。「事業目的が違うから良いとはならない。国民の理解は得られない」と厳しく批判し、中止を求めました。