2021年3月29日(月)
アジア系への差別・暴力抗議
全米60都市デモ
“私はウイルスじゃない”
【ワシントン=池田晋】全米の60以上の都市で27日、アジア系住民に対する人種差別と暴力に抗議するデモが行われました。アジア系女性6人を含む8人が殺害された南部ジョージア州アトランタ近郊で16日に起きた銃撃事件以降、新型コロナウイルスの感染拡大で助長され、急増した中国系・アジア系に対する憎悪犯罪(ヘイトクライム)への危機感と怒りが高まっています。
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首都ワシントンでは、反貧困運動を進める「貧者の行進」や女性反戦団体「コード・ピンク」などが抗議集会を開きました。
市内中心部の中華街の一角には、「中国たたきをやめろ」「私はウイルスでも敵でもない中国系米国人。自分のことが好き」などと書いたカードを手に、アジア系や黒人、白人の若者らが参加。「アジアの人々が攻撃されている。立ち上がり、はね返そう」と唱和しました。
ワシントン在住の韓国系女性ベティ・チュウさん(44)は、トランプ前大統領が「中国ウイルス」と呼んだ新型コロナの拡大以来、友人の誰もが路上などで何らかの嫌がらせを経験しており、今では外出時に護身用の催涙スプレーを携帯します。「みな怒り心頭だ」と話しました。
黒人男性ショーン・ブラックモンさん(33)は、中国系や日系を差別してきた米国の歴史にふれ、「アジア人差別は白人至上主義の切り離せない一部」と指摘。団結してたたかうことが必要だと語りました。