2021年3月28日(日)
軍政否認 明確にせよ
参院委・井上氏 ミャンマーめぐり
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日本共産党の井上哲士議員は26日の参院外交防衛委員会で、国民への弾圧の中止と国民民主連盟(NLD)政権へ原状復帰を求めるとともに、ミャンマー国軍によるクーデターに関し、日本政府は軍政の正統性を認めない立場を明確にし、国際社会の取り組みに積極的な役割を果たすよう求めました。
井上氏は、過去にはミャンマー国軍が民主化運動を弾圧している最中に、日本政府が政府開発援助(ODA)を供与し、軍政を支援したとして「この誤りは繰り返してはならない」と指摘。政府のミャンマーへの経済協力の基本方針が「民主化・国民和解・持続的発展」の実現に向けて「改革勢力を後押し」することとしていることを示し、基本方針に反する支援は行わないかとただしました。
茂木敏充外相は、現時点でクーデター後の新規案件はないとした上で「ミャンマーの民主的体制の回復に向けて必要な協力を行いたい」と述べるのみでした。
井上氏は、新規案件の決定には政府間の交換公文への署名が必要だとして、「国軍を相手とした署名はないということでよいか」と質問。茂木外相は「今後の状況を見定めて考える」と述べるにとどめました。井上氏は「欧米諸国は制裁という形で態度を示すが、日本は最大の経済関係国で影響力が大きいにもかかわらず姿勢が明確でない。態度を鮮明にすべきだ」と強調しました。
さらに井上氏は、今国会に承認案が提出されている東アジア地域包括的経済連携(RCEP)にミャンマーも参加しており、「国軍を相手に発効させてよいのか」と質問。茂木外相は「他の参加国と緊密に意思疎通しながら今後の対応を検討したい」と述べました。