2021年3月28日(日)
新型コロナから命守る
政府モニタリング検査
1日わずか650件 1万件「目標」に大きく遅れ
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政府は緊急事態宣言解除に伴う対策として感染再拡大の予兆をつかみ、感染源を把握するためのモニタリング検査を打ち出しました。内閣府によると、確認されている直近の15~21日の1週間で検査総数は4597件です。無症状感染者を発見する例も生まれていますが1日1万件という政府の「目標」からは大きく遅れています。
モニタリング検査は、緊急事態宣言が解除された栃木、埼玉、千葉、東京、神奈川、岐阜、愛知、京都、大阪、兵庫、福岡の11都府県で実施され、無料で受けられます。
知らず知らずに感染を広げる無症状感染者の発見に焦点を当てた大規模検査を、政府がようやく打ち出したことは重要な前進です。
しかし直近の検査実績は1週間で4597件で、1日あたりにすると657件。1都府県あたりでは60件にすぎずモニタリング(感染動向調査)の意味をなしていません。
内閣府は「4月には1日5千件、ゴールデンウイーク後には1万件に増やし、北海道や沖縄も対象に加えたい」としています。1日1万件でも1都道府県あたり1000件未満にすぎず、感染源の探知などできません。すでに各地で、新規感染者、変異株が増加しつつあります。第4波防止へ、検査の規模とスピードを一気に増やす政府の本気度が問われます。
他方、8~14日の1週間に確認された1116件の検査では6人の「陽性」=「感染疑い者」を確認。2人が京都府、4人が兵庫県です。無症状者の検査で感染者を発見したことは重要ですが、内閣府によるとその後の対応は本人任せ。検査をするにあたり「陽性の場合、自分で病院に行き最終判定の検査を受けることの同意が検査の条件になっている」といいます。
無症状感染者が発見されたのに、責任をもって保護しなければ感染制御につながりません。
検査の方法は、企業や学校で従業員や学生に対しまとめて行う場合と、繁華街などに検査スポットを用意しスポットに来場する人に対し検査キットを配布して行う場合とがあり、配布数と検査数は大きくずれています。検査スポットの場所は原則非公開です。