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2021年3月17日(水)

イージス・レーダー“現場”から異議

「米側いいなり 性能劣り経費も膨張」

元海自幹部が証言

野党ヒアリング

 イージス・レーダー選定に関する野党合同ヒアリングが16日、国会内で開かれ、海上自衛隊の元高級幹部が出席しました。政府が推進する「イージス・システム搭載艦」のレーダー選定は米ミサイル防衛庁(MDA)・米企業の言いなりで、経費も膨らみ、性能も劣るとして導入中止を求めました。安倍前政権の米国製武器“爆買い”に、現場の立場で異議を唱えたものとして注目されます。


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(写真)イージスレーダー選定問題野党合同ヒアリングで坂上芳洋氏(左)から聞き取りをする議員各氏=16日、国会内

 出席したのは坂上芳洋元海将補。現役当時、イージス艦の導入に関わった経緯があります。米海軍がイージス艦の次期レーダーとしてレイセオン社のSPY6を選定。一方、安倍前政権は、陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」のレーダーに、試作品さえできていないロッキード・マーチン社のSPY7を選定しました。

 坂上氏は、その背景として、レイセオンに市場を奪われたロッキードがMDAに、「日本に対して自社レーダー導入を働きかけるよう要請した。いまのMDAはロッキードの影響を受けている人間が多い」と指摘しました。

 さらに、導入経緯について、(1)日米両首脳のトップダウンで決定され、現場の意思とはかけ離れている(2)選定にあたり、イージス・レーダーの知見を有する海自が外され、陸自が担当となり、ロッキードのレーダーを優位と説明したMDAの「言いなりになった」―と批判しました。

 坂上氏は、(1)破綻した陸上イージスの後継であるイージス・システム搭載艦はSPY7搭載に伴い艦体を大きくするため、1隻2500億円と巨額になる(2)試験費用や技術更新などの費用も日本政府が支払わなければならず、巨額の経費がかかる(3)SPY7は旧世代のシステムであり、配備しても陳腐化して使い物にならなくなる―などの点を指摘。導入を中止し、レーダーの再選定を求めました。


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