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2021年3月10日(水)

ミャンマー スト拡大

銀行・経済活動が停止

弾圧に不服従

 【ハノイ=井上歩】ミャンマーで8日、国軍のクーデターに抗議する公務員、労働者と市民が全土でいっせいにストライキを行い、多くの商業施設や工場が休業しました。公務員らの不服従運動(CDM)の拡大とゼネストで同国の行政機能や経済活動の多くが停止。国軍側は、CDMとデモに加わる市民への弾圧を強めています。

 市民は9日も各地で街頭に出て、軍事独裁に反対するデモを行いました。ミャンマーの主要労働組合18団体は「ビジネスの継続は国軍に利するだけだ」として、経済を停止させる全面ストライキを期限を切らずに呼びかけており、各地でストが継続しているもようです。

 銀行業務停止の影響が大きくなっており、国軍側は対応措置に言及して各銀行に営業再開を要請。しかし地元メディアによると多くの銀行が営業を停止したままです。

 独立系メディア「フロンティア・ミャンマー」によると、CDMには数万人以上の公務員が参加しており、ストライキはほぼ全分野の公的機関に拡大。電気エネルギー省では職員の半数が職場を離れ、全国の公立病院の4分の1に当たる300カ所が閉鎖されています。スト中の公務員の生活を支える支援ネットワークの形成も国内外で進んでいます。

 ミャンマーの在外公館でも在ワシントンの大使館が5日、デモに対する武力行使に反対を表明。駐ロンドン大使は8日、アウン・サン・スー・チー国家顧問とウィン・ミン大統領の解放を求める声明を発表しました。

 地元メディアによると、国軍側は夜間の逮捕や発砲音や破裂音による威嚇を行うなどして市民の弾圧を強めており、政治囚支援協会によると拘束中の人は1538人に増加。ヤンゴンでは治安部隊が病院、寺院、大学を占拠し、駐屯を始めました。

 8日には北部カチン州ミッチーナーでデモ参加の2人が頭部に銃撃を受けて死亡。中部の町ピャポンでもデモ参加者1人が死亡しました。警察に拘束されていた国民民主連盟(NLD)地方幹部が拘束中に死亡する事件も7日判明し、体のあざから拷問を受けた可能性が指摘されています。


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