2021年3月7日(日)
ミャンマー暴力停止へ 安保理が迅速な行動を
緊急会合で特使が訴え
【ワシントン=遠藤誠二】国連安全保障理事会は5日、ミャンマー情勢をめぐる緊急会合を開きました。ブルゲナー事務総長特使(ミャンマー担当)が出席し、「安保理の結束がかつてないほどに求められている」と述べ、事態打開にむけ安保理の迅速な行動を呼びかけました。
緊急会合は英国の要請によるもの。非公開(オンライン形式)で開催されました。ブルゲナー特使は、「安保理が毅然(きぜん)と一致団結していることを国軍に知らしめ、昨年11月の選挙結果とミャンマーの人々を支持することが重要だ」「緊急に共同行動をとる必要がある」と主張しました。
ブルゲナー特使は、ミャンマー国民からの「必死の嘆願」を毎日2000通受け取っていると紹介。「国連と加盟国に対するミャンマー国民の希望は失われつつある」として「彼らの希望は、私たちの統一した支援と安保理の行動にかかっている」と強調しました。
英国のウッドワード国連大使は会合後、「安保理が声を一つにして、暴力停止や拘束者の解放、民主主義への復帰を求めることが重要だ」と述べ、声明などの協議を続けていると語りました。
一方、中国国連代表部の発表によると、張軍国連大使は、「すべての関係国がミャンマーの当事者の助けになるべきで、緊張激化や暴力を避けるべきだ」と主張し、国際社会の介入に慎重な姿勢を示しました。
安保理緊急会合を前にして、国連のアンドリュー特別報告者は4日、「制裁、武器禁輸を含む断固かつ一致した行動」をミャンマー国軍にとるよう安保理に求めました。