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2021年2月26日(金)

東北新社子会社パーティー 2010年

菅首相 無関係言うが出席

長男は取締役に就任

 総務省幹部らが菅義偉首相の長男・正剛氏が勤める放送事業会社「東北新社」から国家公務員倫理規程に違反する接待を受けた問題で、同社の子会社が開いたパーティーに菅氏が出席していたことが25日までに分かりました。同社グループの主な事業である衛星放送の運営について、菅氏は「よく理解しませんでした」(22日、衆院予算委員会)と説明しましたが、実際には同社の事業内容を知っていたことになります。(丹田智之)


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(写真)放送事業会社「東北新社」の本社=24日、東京都港区

 菅氏が出席したのは、2010年8月6日にホテルオークラ東京(東京都港区)で東北新社の子会社「囲碁将棋チャンネル」が開催した「新社名披露パーティー」です。

広報室が回答

 東北新社のプレスリリース(同年8月10日)には、「主な出席者」として当時の政権幹部とともに野党議員だった菅氏の名前があります。本紙の取材に、同社広報室は「菅義偉衆院議員にご出席いただきました」と回答しました。

 プレスリリースによると、同パーティーでは「『囲碁・将棋チャンネル』20周年の歴史と今後の取り組みを映像で紹介」する場面もあったといいます。

 菅氏のもとで総務相秘書官を務めた正剛氏は2008年、天下りする形で東北新社に入社しました。

 この経緯について菅氏は、同郷で「20年近い付き合い」だという東北新社の創業者・植村伴次郎氏(故人)と懇意な間柄で「そういう中で創業者と長男が会って、(就職が)決まった後から私が報告を受けました」(22日、衆院予算委)と述べています。

 植村氏らは、菅氏が代表を務める自民党神奈川県第2選挙区支部に総額500万円の個人献金をするほどの関係です。

 それでも菅氏は「長男とは会社の話は一切していません」「完全に別人格ですから」などと述べ、接待問題で自身は無関係だと主張しています。

 「囲碁将棋チャンネル」は、総務省情報流通行政局が所管する放送法に基づく衛星基幹放送の認定を受けています。正剛氏は20年3月から「囲碁将棋チャンネル」の取締役を務めています。正剛氏は、総務省が接待を受けることを禁じる「利害関係者」にあたります。

接待のべ39件

 総務省などの報告によると、東北新社による同省幹部ら13人の接待は、16年7月から20年12月にかけて延べ39件にのぼります。正剛氏は半数を超える接待の場に同席していました。

 「文春オンライン」が公開した音声記録によると、接待時に秋本芳徳・情報流通行政局長(当時)と正剛氏の間で「BS」「CS」「スターチャンネル」など、放送事業に関する言葉が交わされていました。

 接待を受けた同省幹部らは「他の放送事業者とは同様のことはなかった」と述べており、衛星放送の許認可をめぐって行政がゆがめられた疑いがもたれています。


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