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2021年2月25日(木)

気候変動 安保上の脅威

国連安保理会合 紛争国ほど被害

 【ワシントン=池田晋】国連安全保障理事会は23日、2月の議長国である英国のジョンソン首相の主導で、気候変動と安全保障に関する公開のハイレベル会合を開きました。米英や発展途上国からは、気候変動が安保理で討論すべき国際平和と安全に対する「脅威」だとの発言が相次ぎました。中国とロシアは安保理で扱うことに慎重な姿勢を示しました。

 国連のグテレス事務総長は、紛争国や最貧国ほど気候危機による被害を受けており、「異常気象はすでに世界中で強制移住を加速させている」と指摘。大規模な強制移住が紛争の可能性を増大させるとし、「国際平和と安全への気候危機の影響が増大していることに備えを強化していかなければならない」と述べました。

 ジョンソン英首相は、「われわれの集団安全保障にとって気候変動が脅威であることは、火を見るより明らかだ」と強調しました。

 米国のケリー気候担当大統領特使も「気候危機は紛れもなく安保理で扱う問題」と支持を表明。「多くの安全保障上の脅威と異なり、気候変動対策は現代史上で最大のビジネスチャンスをもたらす」とも語りました。

 ニジェールのラフィニ首相は、水不足でサヘル地域の飢饉(ききん)が大幅に増えるとの見通しを示し、気候変動を単なる環境問題としてだけでなく、社会経済・安保問題としても考えることが必要としました。

 中国は、気候変動問題は先進国の主導で途上国が援助されるべき経済発展上の問題だと主張。ロシアは紛争の根本原因を気候変動に求めるのは議題そらしだとくぎをさしました。


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