2021年2月25日(木)
生理用品 仏学生に無償提供
運動が政府を動かす
【ベルリン=桑野白馬】フランス政府は23日、すべての学生に生理用品を無償提供すると発表しました。今月、学生団体の調査で経済的に困窮し食料か生理用品かの購入の選択を迫られる学生が10人に1人超もいることが明らかになったばかり。「生理の貧困」を無くすための運動が政治を動かしました。
フランス政府は、数週間以内に大学の寮や保健施設にタンポンや生理用ナプキンを無償提供するための機械を設置すると表明。次の年度が始まる9月には全国で計1500カ所に配布場所を設け、すべての学生への無償提供を目指します。
調査を実施した団体の一つ、全国学生助産師協会(ANESF)はツイッターに「長年求め続けてきたことが実現した。本当にうれしい」と投稿しました。
調査では、3人に1人の学生が生理用品を購入するための経済的な援助が必要だと考えていることも判明しています。ビダル高等教育・研究相は「生理の不安とのたたかいは、尊厳、連帯、健康の問題だ。2021年になっても食料か身を守るかの選択をしなければならない状況があるのは受け入れられない」と表明しました。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う都市封鎖措置で、経済的に困窮した学生が食料の無料配布所に押し寄せる様子をフランスメディアが報じています。多くの学生がカフェやレストランでのアルバイトを失い、生活費のやりくりに苦労していると言います。