2021年2月24日(水)
五輪メダリスト性暴力被害告発機に
#MeToo運動拡大
ギリシャ政府 法改正を約束
副労働相 「沈黙の鎖解かれつつある」
ギリシャで、五輪金メダリストが過去の性暴力被害を明らかにしたことを機に、沈黙を強いられてきた被害者らが性暴力やセクハラを告発する「#MeToo」運動が広がり、社会や政治を動かしています。ロイター通信が20日、伝えました。
セーリング選手として活躍したソフィア・ベカトルさん(43)は先月、21歳の時に同国セーリング連盟の幹部から性暴力を受けたと告発しました。それ以降、保守的で性暴力やセクハラなどの被害が話題となってこなかった同国で、芸能界やスポーツ界を中心に、多くの人々が被害体験を明かし始めています。
人権擁護団体「アクションエイド」が昨年11月に同国でおこなった調査によると、女性回答者のうち85%が職場でセクハラを経験したことがあると答えています。
警察は20日、ハラスメントを理由に国立劇場を辞めた著名な演劇監督をレイプの容疑で逮捕しました。辞任後、同監督に対する政府の対応が不十分だったため、文化相の辞任を求める声も上がっていました。
同国政府はこうした事態を受け、性犯罪に関する法律の改定を約束。改定案には▽スポーツ選手に被害の報告を促すこと▽スポーツ連盟の女性役員登用の強化▽性教育の義務化▽各州が芸術団体に対する規約を設けること―などを盛り込むとしています。
シレンジェラ副労働相は、「性暴力の問題はタブーだったが、沈黙の鎖は解かれつつある。今こそ考え方や意識を改め、お互いを尊重し、子どもたちを正しく導く時」だと述べました。