2021年2月24日(水)
無症状者にPCR検査
宇都宮市中心に調査開始
政府と栃木県は22日、新型コロナウイルス感染再拡大の予兆を検知するため、無症状者に幅広く唾液PCR検査を行う試みを、全国に先駆けて始めました。宇都宮市内を中心に、3日間で合計600人を調査します。
調査は、▽県内三つの学校で計300人に行う団体検査▽繁華街など人の多い場所で検査キットを1日100人に配布する方式―の2種類を実施。協力する人は、専用アプリに性別や職種を登録。自ら採取した唾液を検査機関に郵送します。結果はアプリが通知し、陽性の場合はコールセンターに連絡してもらいます。
政府は、今年に入り緊急事態宣言が発令された11都府県で、定期的に無症状者への検査を行う方針を決定。市中の感染状況をモニタリングします。解除された栃木県でまず始め、順次地域を広げます。
政府は今後、11都府県で合わせて1日あたり約1万件の検査ができる体制をつくるとしています。
解説
感染制御する視点を
無症状感染者を含めた感染状況の把握の検査を広げる取り組みは一歩前進です。
他方、検査キットの配布や郵送による検査では、無症状者の発見と保護や隔離などの感染制御の視点が明確ではありません。「陽性」と判定されても、医療機関で再びPCR検査を受けなければ確定診断とならず、保護や隔離も行われません。無症状感染者の発見後、宿泊療養施設などへの保護、隔離につなげ感染を制御する戦略に立つことが必要です。