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2021年2月8日(月)

“無症状者焦点の検査を”

コロナ対策分科会 尾身会長の答弁

 政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の中心メンバーが、あいついで無症状感染者発見の積極検査に前向きの認識を示しています。

 4日の衆院予算委員会に参考人として出席した分科会の尾身茂会長は、「検査の文脈でいうと(宣言を)解除した後の都道府県で最も大事なこと」として「感染のリスクの高いところを中心に、無症状者に焦点を合わせた検査をやることによってリバウンド(再拡大)を防ぐ」ことだと述べました。尾身氏は続けて「リバウンドを防ぐためには、感染源を早く予兆(する)、隠れたものを早く予兆すると同時に、それによって感染の経緯がしっかりとモニターできる」と発言しました。

 7日のNHK「日曜討論」では、分科会メンバーで日本感染症学会理事長の舘田一博東邦大学教授は、「緊急事態宣言を解除するタイミングは非常に大事で、そのあとにどうリバウンドを起こさない対策を維持していくかが大事」と指摘。「今は市中に感染症がまん延している状況の中で、どうしても守りの対策、守りの検査を余儀なくされているが、宣言が解除されるときは市中感染が減って、急所あるいは急所の急所の部分が残っている状況になっていますから、その部分に対し、いかに効果的な対策、検査を集中していくかが大事になる」と述べました。

 尾身、舘田両氏の発言は、宣言解除後、感染再拡大へ「リバウンド」しないようにするため最も重要なことは、「無症状感染者」に焦点を当てた検査でその発見・保護につなげることだとしたもので注目されます。舘田氏は感染集積地を見定め、集中検査を実施する方向を提起しました。

 接触制限で人から人へのウイルスの感染経路を遮断し感染を一定抑制しても、無症状感染者という「感染源」が市中に放置されていたら、解除後、大きくリバウンドが起きることは日本でも世界でも経験してきたことです。

 医療機関・高齢者施設でクラスターが続発している問題でも、無症状感染者という「感染源」が市中に多数残る状況では、人と人との身体接触が避けられない医療・高齢者施設などでクラスターを防ぎきれないことを示すものです。これら施設への社会的検査の拡充も急務です。


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