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2021年2月6日(土)

米軍世界配置 見直し

中国と“対抗”“協力”

バイデン大統領が外交演説

 【ワシントン=池田晋】バイデン米大統領は4日、国務省で就任後初めてとなる外交方針演説を行いました。世界が直面する課題として新型コロナウイルスのパンデミック、気候変動、核兵器の拡散とともに、中国とロシアの権威主義の台頭に言及。国防長官の主導で世界各地に展開する米軍の配置態勢の見直しに着手すると表明しました。

 見直しの間、トランプ前政権が決めたドイツ駐留米軍の大幅削減計画は凍結します。

 サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は同日の会見で、米軍態勢の見直しについて、中ロとの大国間競争などに対応するため、米国がまず「強い立場」を確立する取り組みの一環だと説明。インド太平洋地域での米軍増強につながる可能性があります。

 バイデン氏は演説で「米国が戻ってきた。外交が米対外政策の中心に戻ってきた」と述べ、国際協調と外交を軽視した前政権からの転換を強調。民主主義的な価値に根差す外交こそ「米国の不変の強みだ」とも述べ、価値観を同じくする同盟国との連携強化を基軸として諸問題に取り組む考えを示しました。

 台頭する中国については、米国の経済的繁栄と安全保障、民主主義的な価値観へ脅威をもたらす「最も深刻な競争相手」だと定義。中国による逸脱した経済活動や威圧的な対外行動、人権、知的財産、グローバル・ガバナンスに対する攻撃に「立ち向かう」と述べました。

 一方、「国益にかなう場面では、中国と協力する用意がある」とも表明。地球温暖化問題などが念頭にあるとみられますが、具体的な協力分野には言及しませんでした。

 中東問題では、「世界最悪の人道危機」といわれるイエメン内戦に介入を続ける隣国サウジアラビア主導の有志連合の「攻撃的作戦」に対する米国の武器輸出を含む軍事支援を終了させると発表。あわせてイエメンでの国連主導の停戦に向けた取り組みや人道支援への協力を約束しました。

 バイデン氏は、サウジの内戦介入に国内外で批判が高まったことを受け、軍事支援うち切りを選挙戦で公約していました。


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