2021年2月5日(金)
業者 苦境深まる 緊急事態宣言延長
客足5割減 協力金足りない 資金持たない
補償・給付金第2弾求める声
新型コロナ緊急事態宣言が10都府県で3月7日まで延長され、中小業者から「もう店がもたない」「従業員を解雇せざるをえない」と悲鳴があがっています。十分な補償や持続化給付金の第2弾などを求める声が強まっています。(青柳克郎)
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「『宣言』で1月は新年会需要が皆無となり、客足は前年比5割減だった。これ以上、減収が長引けば、従業員の削減や廃業も考えざるをえない」
東京都内で中華料理店を営む40代の男性が語ります。売り上げの半分以上は営業自粛が求められる午後8時以降のもので、時短営業延長は大打撃です。
店舗購入のローンや20人近いアルバイトの賃金、光熱費など、固定費は月300万円以上。時短営業に対する協力金(1日6万円)では全く足りません。延長後の支援策は何も示されておらず、「国は飲食店を罰則導入などで締め付けるだけで、まともな対策をしていない」と憤ります。
ギョーザは国産食材にこだわるなど料理の質は落とさず、新メニューや持ち帰り商品に注力して苦境を乗り切る努力を続けています。さらなる減収に「いつまで資金がもつか分からない」と不安を募らせます。
「いまの感染拡大は、大規模なPCR検査などを怠ってきた国の責任だ。科学的な感染対策や営業実態に応じた補償、持続化給付金の再給付などを考えてほしい」
何も支援なし
悲鳴は、あらゆる業種から聞こえてきます。兵庫県姫路市でクリーニング店を家族で営む男性(56)は「『宣言』で外出を控えたお客さんが多く、1月の売り上げは昨年より3割減。光熱費などの固定費を払えば大赤字だ」と話します。
この1カ月間、業務用のテーブルクロスや調理衣、スナック店員の衣装など飲食関連の仕事は皆無。国は飲食店との取引業者が「宣言」の影響で減収した場合、最大60万円の一時金を支給しますが、売り上げ5割減が要件で、男性は対象になりません。
「これ以上、減収が長引けば、自分たちの生活費も賄えなくなる。国は営業を維持できるだけの支援をしてほしい」
全国商工団体連合会は国に対し、減収前の売り上げの8割を維持できるだけの損失補てんを要求。持続化・家賃支援給付金の再給付や消費税の5%への減税、飲食・観光業者等への直接支援を求める緊急署名に取り組んでいます。
岡崎民人事務局長が力を込めます。「『宣言』延長で業者の廃業・倒産の危機が深刻化している。昨年は持続化・家賃支援給付金の実現・拡充など、運動で大きな成果をあげた。十分な支援を求め、引き続き国に働きかけていく」