2021年2月4日(木)
ミャンマー 医療者が「不服従」運動
“クーデターは患者・弱者を無視”
【ハノイ=井上歩】ミャンマー主要都市の政府系病院で働く医療関係の公務員が3日、クーデターに抗議して国軍に対する「不服従」運動を開始しました。
ロイター通信によると、不服従運動には全土70カ所の病院・医療施設の公務員が参加。2日に発表した声明で医療公務員たちは、クーデターによる違法で非民主的な軍事政権からの職務命令には従えないとし、ストなどの平和的手段で反対意思を示していくと表明。軍がみずからの利益のために「パンデミック下の患者や社会的弱者を無視した」とも批判しました。
ミャンマーに詳しいニュース誌『イラワジ』電子版は、「クーデターを黙ってみていては、軍事独裁の下で毎日何百もの人の希望が失われる」と運動に参加する医師のコメントを伝えました。
同誌によると、外務省の職員にも不服従運動に参加する動きが出ています。クーデター前の外務大臣は、拘束されたアウン・サン・スー・チー前国家顧問が務めていました。
ヤンゴン在住のメディア関係者は本紙に、不服従運動への支持がフェイスブック上で広がっていると語りました。ヤンゴンでは2日午後8時、市民がいっせいに鍋などの調理器具や車のクラクションを鳴らし、クーデターと軍政に抗議する意思を示したといいます。
軍政下に置かれた情報省は2日、メディアや市民に「混乱をあおる」情報を拡散したり、集会を行わないように警告しました。
また報道によると、国軍は2日、ネピドーで拘束していた国会議員や州首相らに「帰宅できる」と伝え、国民民主連盟(NLD)政権の閣僚らに官舎からの立ち退きを要求しました。ただ引き続き自宅で軟禁される例があるといいます。