2021年1月29日(金)
罰則撤回 十分な補償を
審議会でも反対多数 感染症法改定案に抗議
参院予算委 小池氏、首相を追及
日本共産党の小池晃書記局長は28日の参院予算委員会で、政府が新型コロナウイルス対応の特措法、感染症法等を改定し、罰則規定を盛り込もうとしていることについて、「密告や相互監視を進め、差別や偏見を生み、感染症対策に逆行する」として、罰則をすべて撤回するよう主張。感染拡大を防止するなら、「休業や時間短縮をしても、事業を続けることができる十分な補償が必要だ」と事業規模に応じた支援を迫りました。(関連記事)
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小池氏は、感染症法改定案を審議した厚生科学審議会感染症部会の議事録では、出席委員18人のうち罰則賛成は3人だけで、11人は慎重や反対、懸念を表明していると指摘。専門家の反対意見を押し切って改定案を提出し、国会に説明もしていないとして「罰則はすべて撤回し、この間の経過について国民に謝罪すべきだ」と抗議しました。
菅首相は「(政党間協議の)現場の判断に任せる」などと無責任な答弁に終始。小池氏が、与党幹部が深夜に銀座のクラブに行っても謝罪のみで済まし、国民には罰則では、国民の理解は得られないと迫っても、菅首相は「残念なことだ」としか答えませんでした。小池氏は「反対意見を無視した強権的なやり方は改めるべきだ」と、罰則撤回を重ねて求めました。
さらに、小池氏は、政府が特措法改定案で休業・営業時短命令に従わない事業者にも罰則を盛り込もうとしていると批判。緊急事態宣言下で、時短要請に従った事業者への協力金は「1日最大6万円」で、現場からは固定費すら賄えないと悲鳴が上がる一方、ドイツでは売り上げの75%を補償する支援策を打ち出していることをあげ、「個別の事情に可能な限り配慮して必要な支援をするのが政府の責任だ」と迫りました。
菅首相は「大変申し訳ないが、協力してほしい」というだけ。小池氏は「現場の実態を全く見ていない」と批判しました。
「扶養照会 義務でない」
生活保護 厚労相が明言
小池氏は、生活保護申請で、親族に問い合わせる「扶養照会」をやめるよう要求。生活保護法に、「『扶養照会をしなければならない』と書いてあるのか」とただしました。田村厚労相は「『扶養照会』は義務ではない」と明言。小池氏は「政府がコロナ禍による生活困窮に対して、『ためらわずに生活保護の申請を』と呼びかけているのだから、扶養照会はやめるべきだ」と強調しました。
機密費を86億超も 既得権益どっぷり
小池氏は、「しんぶん赤旗」が情報公開請求で入手した資料で、菅首相が第2次安倍政権で官房長官を務めたときに支出された官房機密費95億円のうち、86億8000万円を領収書なしで自由に使える「政策推進費」に振り分けていたことが明らかになったと指摘。うち、4820万円は昨年9月の自民党総裁選の出馬表明前日から首相就任までに使われたとして、「総裁選に使ったと言われても仕方がない」とただしました。
菅首相は「そのようなことは一切ない」と述べたものの、使途は一切、答えませんでした。
小池氏は「既得権益を打破するどころか、既得権益にどっぷり漬かってきた。こういう税金の使い方を絶対に許すわけにはいかない」と厳しく批判しました。