しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2021年1月22日(金)

危機的現実を認識せず事実とも異なる首相答弁

志位委員長が記者会見

 日本共産党の志位和夫委員長は21日、国会内で記者会見し、衆院本会議での自身の代表質問で新型コロナウイルス感染症に対応する具体的提起を行ったのに、菅義偉首相は“すでにやっている”かのような事実と異なる答弁を繰り返したと指摘し、「危機的現実が全く見えていない、つかんでもいないことが非常に明瞭になった」「国民の命がかかっている問題で事実と違う答弁を次から次へと繰り出したのでは、まったく議論にならない」と厳しく批判しました。

 志位氏は、無症状感染者を把握・保護するための大規模検査を求めたのに対し菅首相が「大規模・集中的検査が実質的に国の費用負担で実施できるようにしてきた」などと答弁したことに言及。「日本のいったいどこで大規模・地域集中的検査をやったのか。1カ所もやられていない」と語りました。

 また、医療機関や高齢者施設への社会的検査についても、「引き続き自治体がちゅうちょなく必要な検査に取り組めるよう徹底する」などと実際に行っているかのように述べたと指摘。「費用の半分が自治体負担であるために二の足を踏んでしまい進まないという実態がある。これが全く見えてない」と批判しました。

 さらに、医療機関への減収補填(ほてん)や保健所の体制強化についても同様だと強調。「菅首相は、医療機関に対して3・2兆円の支援を行ったと答弁したが、実際に医療機関に届いたのは8900億円にすぎない。きちんと支援が届いているなら、どうしてボーナスが減額になったり離職が起こったりするのか」と述べました。

 「今後2年間で900人の保健師を増員する」と答弁したことにも、「900人では一つの保健所で2人程度の増員だ。しかも2年間でというのは、危機への対応をやらないに等しい」と批判しました。

 また、飲食店の時短に最大1日6万円の協力金では全く足らないと指摘し「事業規模に応じた補償を」と提起したのに、菅首相の答弁は「雇用調整助成金」などの話にすり替えるという「驚くべきものだった」として、「本当に無責任な答弁だ」と批判しました。

 さらに、今夏の東京五輪の開催にはワクチンが間に合わないなどの重大な問題点を3点指摘したのに対し、ワクチンに頼った五輪開催は不可能だと事実上認めた一方で「どの問題についてもまともに正面から答えなかった」と批判。「五輪開催のために『コロナ収束に全力を挙げる』というこれまでの線をまったく思考停止で走るという答弁だった。昨年の五輪延期のさいも、決定が遅れたために、コロナ対策に遅れをきたした。同じ過ちを繰り返すつもりか。ここで再検討、中止の判断を行わないと、コロナ対策にゆがみをもたらし、犠牲者を増やす危険がある」と述べました。


pageup