しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2021年1月18日(月)

主張

「桜」前夜祭疑惑

居直りを許すわけにいかない

 「桜を見る会」前夜祭について虚偽答弁を続けた安倍晋三前首相は昨年末、国会と記者会見で「謝罪」を表明しました。しかし、国民の圧倒的多数は納得していません。もっぱら秘書のせいにして自らの責任を認めない安倍氏の説明は矛盾だらけで、新たな疑惑も浮上しています。野党が安倍氏に質問文書を出して説明を求めても「ゼロ回答」です。安倍氏の「謝罪」は口先だけだったという他ありません。居直りを許すわけにいきません。官房長官として、安倍氏のウソをおうむ返しし、「桜」疑惑解明を妨害してきた菅義偉首相の責任も免れません。

ウソの上塗り疑い深まる

 公的行事「桜を見る会」の前日に都内の高級ホテルで行われた前夜祭は、ホテルへの支払いが参加者から集めた会費を上回っており、安倍晋三後援会が補填(ほてん)していた疑惑などが大問題になりました。昨年末、東京地検特捜部は2016~19年に安倍後援会が計約700万円を補填したのに、政治資金収支報告書に記載されてないとして後援会代表の公設第1秘書を不記載の罪で略式起訴しました。安倍氏は不起訴でしたが、「補填はない」などと言い張った安倍氏のウソがはっきりと認定されました。

 刑事処分結果を受けて安倍氏は記者会見(12月24日)や衆参の議院運営委員会(同25日)で、国会での虚偽答弁を認め、反省も口にしたものの、補填は秘書が勝手にやった、自分は知らなかった、と自己弁護に終始し、具体的な事実を語りません。ホテルの明細書はないと主張したことのウソは認めたものの、明細書や領収書の提出は再び拒みました。「反省」どころか、隠ぺいと開き直りです。

 補填費用の原資などでは新たな疑惑が浮かびました。安倍氏は、原資は自らの「手持ち資金」と説明しました。それなら政治資金収支報告書に安倍氏から寄付金や貸付金などとして毎年記載する必要がありますが、それらは書かれていません。自らに責任が及ばないようにするため、ウソの上塗りをしていることが濃厚です。

 安倍氏の説明の疑問点をただすため、野党の「桜を見る会」追及本部は2度にわたって質問文書を出し、明細書などの提出を求めました。ところが安倍氏側は、記者会見や議運委で説明した通りと一切答えません。明細書などの提出もホテル側が出さないとして応じません。国会で少なくとも118回も虚偽答弁をした当時の姿勢と全く変わっていません。

 行政府の長が、国権の最高機関である国会でウソを言い続け、審議を妨害したことに無反省の姿勢をこのままにできません。民主主義の根幹に関わる重大事態です。議員の資格が問われる安倍氏に真相を語らせ、責任を取らせなければなりません。それは与野党を超えた立法府としての役割です。18日召集の通常国会で安倍氏の証人喚問を行うことは不可欠です。

幕引きさせてはならない

 マスメディアの世論調査も安倍氏の「桜」前夜祭の説明に「納得できない」の回答は7割以上です。幕引きは国民への背信です。

 税金を投じた行事「桜を見る会」に支援者を招き、飲ませ食わせしたこと自体、許し難い国政私物化であり、公費を使った悪質な買収行為です。全容解明に背を向ける菅政権を許してはなりません。


pageup