2020年12月31日(木)
世界の記者死亡 50人
調査報道取材中に標的
国境なき記者団
【ベルリン=桑野白馬】国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」(本部・パリ)は29日、2020年(1月1日~12月15日)に世界で死亡した報道関係者が50人にのぼったとする報告書を発表しました。非紛争地域での犠牲者が68%にのぼり、特に調査報道を手掛ける記者が意図的な殺害の標的になっているとしています。
汚職や公的資金の不正使用問題、組織犯罪などの調査報道中に殺害された記者は17人。デモ取材中に殺害された記者が増えたことも今年の特徴で、ナイジェリアなどで計7人が犠牲になりました。
報道関係者の殺害が最も多かった国は非紛争地域のメキシコで、麻薬組織と政界のつながりを調査していた記者8人が殺害されました。
クリストフ・ドロワール事務局長は声明で「世界のジャーナリストは引き続き危険にさらされている。機微に触れる問題を取材する記者が攻撃対象となることが増えており、すべての人の権利である知る権利が脅かされている」と懸念を示しました。