2020年12月31日(木)
香港活動家10人に実刑
非公開で弁護士接見させず
中国広東省深圳市の裁判所は30日、4カ月以上拘束している香港人活動家10人に対し、最高で懲役3年の実刑を言い渡しました。
香港人活動家は8月下旬、計12人で香港から台湾へ密航する途中、海上で中国当局に拘束されました。10人のうち2人は違法な海外渡航を組織した罪で、8人は違法な海外渡航を企てた罪で起訴され、28日に非公開で初公判が開かれました。
裁判所は、違法な海外渡航を組織したとして、對鄧棨(たい・とうけい)氏に懲役3年、喬映瑜(きょう・えいゆ)氏に懲役2年の判決を出しました。違法な海外渡航を企てた罪で起訴された8人は懲役7カ月の刑でした。8人の中には、8月に国家安全維持法(国安法)違反容疑で逮捕され保釈中だった李宇軒氏も含まれています。香港メディアによると、8人はすでに4カ月以上拘束されているため、来年3月下旬に釈放される見込みです。
一方、深圳の警察は30日、起訴されなかった未成年2人の身柄を香港警察に引き渡しました。
中国当局は拘束した12人に対し、家族が委託した弁護士にすら接見させず、家族は「人権を剥奪している」と批判してきました。28日の裁判も、家族や海外メディアの傍聴も許可しないなど、国際社会から「秘密裁判だ」と非難を受けました。