しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2020年12月17日(木)

フランス 警察強化案に反対続く

毎週土曜開催「自由の行進」 イスラム過激派対策の新法案にも懸念

 フランスでは、警察の権限を抜本的に拡大する「総合治安」法案に対する反対運動が続いています。「自由の行進」と名付られた毎週土曜日の抗議行動には、全国で数万人が参加しています。(米沢博史)


 同法は、警察や治安部隊の暴力の助長や隠蔽(いんぺい)を促し、報道や言論、集会・デモの自由を阻害するとして、ジャーナリスト組合、労働組合、市民団体、左派政党などが反対してきました。

 11月28日の50万人デモ(内務省発表で13万5千人)など反対世論の盛り上がりを受けて、マクロン政権は公務中の警察・憲兵隊の撮影を禁止する条項(24条)の「書き換え」を表明せざるをえませんでした。

 しかしデモのなかで、ジャーナリストやカメラマンに対する警官の妨害、暴行、拘束が発生。法案の「先取り」ともいえる動きに懸念が強まっています。

 さらに、イスラム過激派対策を名目とした「共和国原則強化」法案(いわゆる反分離主義法案)が9日、閣議に提出されました。「総合治安」法案と合わせて、治安当局によるイスラム教徒や移民・難民、有色人種への差別と抑圧につながりかねないと不安が広がっています。

 先月22日には、2017年の大統領選でマクロン候補に投票した33人の学者・文化人・著名人が、両法案の撤回を求める共同声明「われわれはそんなことのために投票したのではない」を発表。「情報、言論、信教、教育、結社、デモの自由を損なう法案」と厳しく批判しました。

 来年1月には、「総合治安」法案が上院で、「共和国原則強化」法案が国民議会(下院)で審議されます。反対運動は越年で続く見込みです。


pageup