2020年12月4日(金)
吉川元農水相、雲隠れ
500万円受け取り疑惑 説明一切なし
吉川貴盛元農水相が広島県福山市の鶏卵業者「アキタフーズ」から、大臣在職中に合計500万円を受け取ったという疑惑が浮上しています。現金の収受について政治資金収支報告書への記載がなく政治資金規正法違反に加え、大臣による収賄に関わる重大疑惑です。
吉川氏は2日のコメントで党のすべての役職を辞任するなどとし、現在「不整脈」で入院中としています。しかし、同コメントでは疑惑に対する説明は一切ありません。
吉川氏は自民党北海道連会長で、二階俊博幹事長の派閥・志帥会の事務総長を務めます。また9月の自民党総裁選では菅義偉首相の選対事務局長を務めるなど、政権中枢に近い党の重鎮です。何よりまず自ら疑惑について説明をするべき責任があります。その責任に背を向け雲隠れを続け、自民党もこれを容認する状況で、いずれの責任も重大です。
吉川氏の事案は、河井克行前法相とその妻案里参院議員の大規模選挙買収事件に関連し、7月にアキタフーズが関係先として捜索を受けたことがきっかけで浮上しました。
芋づる式に「政治とカネ」をめぐる疑惑が表れる異常な展開です。河井氏も菅首相、安倍前首相の側近であり、自民党内からも「新たな疑惑は政権への打撃になる」と危惧する声が出されます。