2020年12月2日(水)
サッカーくじ バスケ・単一試合導入案
選手への中傷に懸念 山下議員反対
参院委で可決
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サッカーくじ(スポーツ振興くじ)の対象にバスケットボールのBリーグを加え、単一試合くじを盛り込んだ「スポーツ振興投票の実施等に関する法律の改正」案などが1日、参院の文教科学委員会で可決しました。同法案は超党派のスポーツ議員連盟のプロジェクトチーム(PT)が検討し、自民党、公明党、立憲民主党、日本維新の会の4会派が共同提案。日本共産党、れいわ新選組は反対しました。
共産党の山下芳生議員が反対討論し、Bリーグを対象とすることに加え、単一試合投票が実施されれば「射幸性を高め、八百長などの不正行為が入りやすくなる」と指摘。「スポーツの持つ目標達成の努力の過程やフェアプレー精神をないがしろにし、金銭絡みの勝敗の結果のみにこだわる傾向を助長する」と批判しました。
さらに、SNSを通じた「いわれなき誹謗(ひぼう)中傷に選手、審判がさらされかねない」との問題点を挙げるとともに、スポーツ振興の財源は「国が責任を持って確保・増額するのが本来の道筋」と表明しました。
採決に先立つ質疑で山下議員は、従来の複数試合くじと比べて格段に予想しやすくなる単一試合くじによって、高額購入者が懸念されることから、「購入金額の上限を考えているのか」とただしました。法案提出者は「いまは想定していない。細心の注意を払っていきたい」と述べるにとどまりました。
山下議員は、賭けに外れた人がSNSで中傷し、選手がうつ病や引退に追い込まれた海外の事例を挙げてただすと、提出者は「単一試合の導入で選手に新たな緊張を生んではならない。委員のご指摘の通り」と答弁。同時に「SNSの批判の相談支援など、選手の安全確保に万全を期したい」などとしか答えられませんでした。
れいわの舩後靖彦議員は「スポーツ振興予算は水もののくじの売り上げに頼らず国が出すべき」だと主張しました。