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2020年11月28日(土)

菅首相にも疑惑

「桜」と酷似 大規模集会も収支不記載 14・15年

高級ホテルで会費1500円は可能?答える責任

 菅義偉首相側が自身の選挙区内である横浜市内の高級ホテルで2014、15年に会費制の大規模な集会を開きながら、その収支を政治資金収支報告書に記載していない疑いがあることが27日、わかりました。その中身は、いま東京地検特捜部が捜査している安倍晋三前首相の「桜を見る会」前夜祭の疑惑とそっくりです。(矢野昌弘)


写真

(写真)菅氏の「春の集い2015」=遊佐大輔横浜市議のブログから

 「広い会場に2000人程の方々が参集され、時局の講演会がありました」

 14年4月にインターネットのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)へのある投稿は、写真とともに集会の盛況ぶりを伝えていました。

参加者2000人超す

 当日の様子を神奈川新聞(同年4月20日付)は「自身の政治資金パーティーで講演し、約2400人の地元支援者らを前に…」と報じています。地域情報紙「タウンニュース」も「支持者ら約2500人(主催者発表)が集まった」と書きました。

 菅氏の元秘書である遊佐大輔横浜市議は「会費:お一人様1500円」とブログで告知していました。会場は、横浜市の観光スポット、みなとみらいにあるホテルです。問い合わせ先の電話番号は、菅氏の事務所と同じ。集いは14年だけでなく、15年にも開いたと書いています。しかし集いの収支についての記載は、菅氏が代表の自民党支部や資金管理団体のいずれの収支報告書にも、書かれていません。

 このことを最初に報じた『週刊ポスト』(今年12月11日号)によると17年以降は収支を党支部で報告したといいます。

 2000人を超える参加者から1500円ずつ集めると、300万円を超える収入がでるはずです。

会費では足りず

 しかも、会場となったホテルは本紙の取材に対して「集まりの内容や状況によって見積もりはかわるが」と前置きした上で、大宴会場は「時間で貸すことはしておらず、1日貸し出しということになる。室料の定価は700万円」と答えました。300万円超の会費収入では、とてもまかなえない室料です。

 安倍前首相の「桜を見る会」の前夜祭のように、会費だけでは不足する費用を菅氏側が補填(ほてん)した疑いも浮上します。

 菅氏の事務所は本紙に「その質問には答えない。担当者が不在なので答えられない」とのべました。

 菅首相は、安倍氏の前夜祭の補填疑惑を一貫してかばってきました。東京都内の高級ホテルの夕食会の会費5000円は安すぎるとの記者の指摘に「5000円でできないこと、ないんじゃないでしょうか。私どもはいろいろやっています。本当に聞かれたんでしょうか、責任ある人に」(昨年11月)と、強気に反論をしていました。

 高級ホテルで「1500円でできるのでしょうか」。この問いに菅氏は答える必要があります。


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