2020年11月26日(木)
コロナ 「桜」疑惑 学術会議
衆参予算委 宮本・田村議員が追及
新型コロナウイルス感染が急拡大し、「桜を見る会」前夜祭をめぐる安倍晋三前首相の疑惑が急浮上するもとで、衆参の予算委員会が25日、それぞれ開かれ、日本共産党の宮本徹衆院議員、田村智子参院議員が、緊急のコロナ対策とともに、「桜」疑惑の究明にむけた安倍氏の証人喚問を要求しました。田村氏はまた、日本学術会議への人事介入問題を追及しました。(論戦ハイライト)
GoToで感染拡大
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コロナ対策について、宮本氏は、中川俊男日本医師会会長の「感染拡大は『Go To』事業がきっかけ」とする発言にふれ、「『Go To』事業を見直さず感染を広げた反省はあるか」と追及。菅義偉首相は「『Go To トラベル』が感染拡大の主要な原因とのエビデンス(証拠)は存在しない」と答弁しました。
宮本氏は、厚労省のアドバイザリーボードでの「『Go To』に東京が加わった10月以降、感染が広がる県が増えた」との資料を示し、「エビデンスが出てから見直すと手遅れになる」と指摘。「Go To」事業の見直しとともに、国の責任で医療機関への減収補てんを行うべきだと求めました。
田村氏は、新型コロナ第3波で医療も経済も暮らしも切迫した状況なのに、新たな対策を何一つ打ち出さない菅政権を批判。「年明けの3次補正では間に合わない。今すぐ7兆円の予備費の活用を」と迫りましたが、菅首相は「緊急に予算の手当が必要になった場合はちゅうちょなく活用する」と述べるだけ。田村氏は「今がその場合だ。命がかかっている」と迫りました。
安倍前首相喚問を
安倍前首相の後援会が主催した「桜を見る会」前夜祭で、安倍氏側が多額の費用を補てんしたことについて、宮本氏は「事実なら公選法と政治資金規正法の違反だ」と批判。菅首相に「官房長官として安倍前首相を擁護してきた責任は重い。首相の責任で真相解明をする必要がある」と迫ると、菅首相は「捜査機関の活動内容にかかわるので答えは控える」と拒否しました。
田村氏は、安倍前首相が前夜祭について「安倍事務所に収支は一切ない」との国会答弁を繰り返してきたと指摘。「安倍前首相の答弁はうそであったと認めるか」とただすと、菅首相は「捜査が行われていると報じられており、私が答えるべきじゃない」などと虚偽答弁の可能性さえ認めませんでした。
田村氏は、菅首相も当時の官房長官として、「明細書はない」と安倍前首相のうそをそのまま答弁してきたとして、「何の疑念もなくオウム返しにしたのか」と追及しました。しかし、菅首相は「総理に確認しながら答弁した」と無責任に述べるだけ。田村氏は「菅政権のもとで新しい事態が起きている。局面は変わった。真相究明を菅政権として行うべきだ」と迫りました。
宮本、田村両氏は安倍前首相の証人喚問を強く求めました。
民主主義の危機
また田村氏は、菅首相による日本学術会議の会員候補の任命拒否について、大学・学会・学協会の抗議・憂慮の声明は900超だとして、「日本が民主主義の国だからこそ理由もわからず権力から排除される危機を感じている」「これが民主主義なのか」と批判しました。