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2020年11月25日(水)

主張

「桜」前夜祭疑惑

安倍前首相は国民に真相語れ

 政府主催の「桜を見る会」に安倍晋三首相(当時)が地元・山口県の後援会員らを大量に招待し、その前日に都内の高級ホテルで開いていた「前夜祭」に関して、東京地検特捜部が安倍氏の公設第1秘書らから事情聴取したことが明らかになりました。ホテル側に支払われた総額が参加者から徴収した会費総額を上回り、安倍氏側が過去数年間で数百万円もの差額を補てんした可能性があるといわれています。これまでの安倍氏の説明と全く食い違います。国会で真相を語るべきです。

数年間で数百万円補てん

 前夜祭は、「桜を見る会」と一体で、2013年から19年にかけて、「安倍晋三後援会」の主催で都内の高級ホテルで開かれました。安倍氏側は、前夜祭の費用はホテル側が参加者1人5000円と設定したもので、安倍事務所はホテルと参加者の契約を仲介しただけだなどと国会で主張し続けました。

 1人最低1万1000円程度と推定される飲食代の差額を後援会側が負担していたとみられ、そうだとすれば公職選挙法違反にあたります。後援会が政治資金収支報告書に記載していなかったのも政治資金規正法違反です。5月に弁護士らがこれらの問題を東京地検に告発していました。

 後援会の責任者でもある安倍氏の公設秘書らを事情聴取した特捜部は、ホテル側が発行していた明細書や領収書の存在も把握しているとされます。安倍氏は、明細書などについて、「ホテル側からの発行はなかった」とも言い張ってきました。特捜部の事情聴取で、安倍氏が国会で虚偽の説明をしていた疑いはいよいよ濃厚です。

 もともと安倍氏らは、政府主催の「桜を見る会」に多くの支持者などを招待し、税金を使って飲ませ食わせしており、公職選挙法違反の買収にあたる疑いが強いものです。安倍政権の間に、招待者は急増し、費用も膨らみ続けてきました。

 「しんぶん赤旗」日曜版の昨年10月のスクープと日本共産党の田村智子参院議員の同11月の国会質問で表面化したこの問題は、その後、招待者名簿などの公文書が廃棄されていたことや、招待者の中にはマルチ商法で多くの被害者を出した会長が「首相枠」で招かれていたことが明らかになり、国会やマスメディアでも再三追及されてきました。

 安倍氏は一貫して、招待者名簿は廃棄したことなどを理由に、解明に背を向けてきました。有権者に対する買収は、票をカネで買う許されないもので、河井克行元法相夫妻の大規模買収事件とも共通です。首相を辞めたからといって、説明責任を果たさず、逃げ回ることは許されません。

与党は国会招致に応じよ

 安倍政権で官房長官だった菅義偉首相も、「桜を見る会」問題での真相解明に応じてきませんでした。菅首相は就任後、「桜を見る会」の中止を表明しましたが、疑惑については終わったものという姿勢です。「中止」で疑惑に幕引きしようというのは言語道断です。

 菅首相は、安倍氏に説明責任を果たさせるべきです。安倍前政権下で相次いだ「森友」「加計」などの疑惑も解明が尽くされていません。疑惑は絶対にあいまいにはできません。与党は安倍氏の国会招致に応じるべきです。


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