2020年11月14日(土)
残土にヒ素 基準270倍
北海道新幹線延伸 機構認める
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北海道北斗市議会調査特別委員会が12日開かれ、北海道新幹線札幌延伸のトンネル工事が10月中旬から中断した原因は、環境基準をはるかに超える270倍ものヒ素だったことが判明しました。
事業主体の鉄道建設・運輸施設整備支援機構が土壌汚染対策法にもない「条件不適土」が猛毒のヒ素を高濃度で含む危険な残土だと明らかにしました。
「条件不適土」の初出土は2018年10月。対策法に基づく機構のマニュアルでは、ヒ素の溶出量の環境基準値は0・01ミリグラム/リットル以下ですが、最大で270倍(2・70ミリグラム)のヒ素含む残土を仮置きしていました。市民と市議会に2年以上も隠し続けました。
機構は、同市の村山処分地に環境基準の0・01ミリグラム超の有害残土4万立方メートルをすでに仮置きし、基準の10倍超の残土は38%を占め、最大2・70ミリグラムの残土も1300立方メートル置いています。
機構は、同委員会で▽仮置きしている有害残土を不溶化し、遮(しゃ)水シートで封じ込める▽今後出る高濃度有害残土の一部を村上処分地に搬入する―と無反省な提案を行いました。
日本共産党の前田治市議は、自身の調査で「基準値上限の0・01ミリグラムのヒ素が出ている。信頼がおけるデータが示されない限り搬入は認められない」と強く批判しました。
10月30日には、札幌市の機構北海道新幹線建設局に畠山和也前衆院議員と要請。隠蔽(いんぺい)の経過を含め、説明責任を果たさない限り、札幌市までの全区間の工事を中止せよと迫りました。