2020年11月14日(土)
やっぱり少人数学級 534議会が意見書
「国の責任で実現を」
少人数学級の実現を国に求める地方議会の意見書が、今年に入って、少なくとも16道県を含む534議会で採択されていることがわかりました。国の責任による少人数学級を実現するため、さまざまな取り組みが各地で進んでいます。(染矢ゆう子、堤由紀子)
都道府県議会で意見書が採択されたのは北海道、岩手、茨城、神奈川、新潟、山梨、長野、三重、和歌山、香川、高知、佐賀、熊本、大分、宮崎、鹿児島の16道県でした。(前回調査は10月17日既報)
高知県議会は「少人数学級の推進を求める」意見書を全会一致で採択。意見書は「少人数学級を求める世論は、今や国民的な共通の要望」だと指摘し、「国民の声に応え、国の責任において、少人数学級を推進すること」と要望しています。
本当のゆとり 学校に
「実現する会」・署名運動各地で
山梨 全自治体
拡充さらに
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山梨県では、全28自治体の議会が少人数学級推進を求める意見書を採択しました。同県では、新日本婦人の会山梨県本部などが参加した「30人学級を実現する会」などの運動により、現在小学1、2年は30人、3年以降は小中全学年で35人学級です。
県知事は25人学級を公約に掲げ、2021年度から小学1年、22年度から小学2年が25人学級になる準備をしています。これを受けて同県本部は9月2日、小中学校全学年での25人学級実施を県に要望しました。
同県本部会長の豊木桂子さんは言います。「分散登校中、20人程度で授業を受けた子どもたちから『いつもより勉強がよくわかった』などと聞きました。保護者が中心になり、新しい会を立ち上げ、全学年での早期導入をという動きもあります」
京都 府議会採択めざす
署名3万超
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京都府では、学級編成基準は40人のまま(小3~中3)で、市町村単位で加配教員を担任として活用すれば、30人程度の学級編成ができる京都式少人数教育をすすめています。「担任外の加配教員がいなければさまざまなことに対応できないので、現場ではなかなか実施が難しいんです。コロナ禍での仕事も増えていて、第3波もある中で、国の制度として少人数学級を可及的速やかに実施すべきです」
こう話すのは、京都教職員組合(京教組)委員長の河口隆洋さんです。
京教組や京都総評などでつくる「子どもと教育・文化を守る府民会議」は、教育研究者が呼びかける少人数学級署名をすでに3万人以上から集めました。
10月からは、少人数学級をはじめ教育条件改善を求める「ゆきとどいた署名」をすすめています。11月9日には15人で街頭署名を呼びかけ、40分で57人が署名。「特に子育て世代が、実感をもって署名に応えてくれるんです」(河口さん)
いま力を入れているのは、国に対して少人数学級の実現を求める意見書を、府議会で採択する取り組みです。「府議会がきちんと声を上げることで、府内の自治体にも動きが広がってほしい。教員定数を増やして、加配教員もしっかりと配置することで、学校に本当のゆとりを保障することができると思います」
意見書をあげた自治体
北海道 北海道、札幌市、旭川市、歌志内市、帯広市、伊達市、深川市、名寄市、函館市、留萌市、夕張市、砂川市、千歳市、登別市、石狩市、士別市、根室市、稚内市、赤平市、芦別市、富良野市、恵庭市、小樽市、三笠市、北斗市、福島町、森町、八雲町、士幌町、上川町、幕別町、厚沢部町、比布町、中川町、興部町、標津町、中標津町、和寒町、津別町、豊頃町、浦河町、江差町、せたな町、足寄町、美瑛町、下川町、小清水町、知内町、中富良野町、置戸町、新ひだか町、新冠町、上士幌町、新得町、浦幌町、芽室町、清水町、池田町、由仁町、松前町、東神楽町、雨竜町、七飯町、標茶町、斜里町、平取町、倶知安町、共和町、更別村、占冠村、中札内村
岩手県 岩手県、盛岡市、花巻市、北上市、久慈市、滝沢市、八幡平市、奥州市、二戸市、宮古市、大船渡市、岩手町、雫石町、西和賀町、金ケ崎町、平泉町、住田町、大槌町、洋野町、葛巻町、軽米町、矢巾町、一戸町、九戸村、普代村、野田村
宮城県 多賀城市
秋田県 能代市、大館市、男鹿市、鹿角市、由利本荘市、大仙市、北秋田市、仙北市、小坂町、藤里町、三種町、八峰町、五城目町、八郎潟町、井川町、美郷町、羽後町、東成瀬村、上小阿仁村
山形県 新庄市、上山市、寒河江市、河北町、西川町、大江町、最上町、金山町、舟形町、鮭川村、戸沢村
福島県 須賀川市
茨城県 茨城県、潮来市、結城市、水戸市、筑西市、鉾田市、桜川市、常陸大宮市、常陸太田市、取手市、つくば市、坂東市、日立市、神栖市、石岡市、つくばみらい市、取手市、北茨城市、那珂市、高萩市、笠間市、かすみがうら市、牛久市、鹿嶋市、小美玉市、下妻市、大子町、城里町、五霞町、境町、河内町、八千代町、東海村、美浦村
栃木県 宇都宮市
群馬県 渋川市、安中市、富岡市、下仁田町、甘楽町、南牧村
埼玉県 本庄市、富士見市、上尾市、新座市、桶川市、吉川市、杉戸町、上里町、伊奈町、宮代町、松伏町
千葉県 市川市、柏市、松戸市、流山市、成田市、野田市、我孫子市、館山市、富津市、鴨川市、旭市、袖ケ浦市、習志野市、匝瑳市、銚子市、八街市、木更津市、船橋市、いすみ市
東京都 中野区、豊島区、八王子市、国立市、小金井市、調布市
神奈川県 神奈川県、横浜市、小田原市、鎌倉市、座間市、相模原市、秦野市、南足柄市、横須賀市、三浦市、厚木市、綾瀬市、平塚市、逗子市、伊勢原市、松田町、中井町、愛川町、大磯町、二宮町、葉山町
新潟県 新潟県、佐渡市、三条市、十日町市、見附市、村上市、新発田市、阿賀野市、上越市、魚沼市、胎内市、妙高市、柏崎市
石川県 金沢市、羽咋市、野々市市、能美市、小松市、白山市、志賀町、宝達志水町
山梨県 山梨県、南アルプス市、上野原市、中央市、甲州市、甲斐市、笛吹市、大月市、韮崎市、忍野村、山梨市、北杜市、都留市、富士吉田市、甲府市、身延町、市川三郷町、早川町、富士河口湖町、南部町、昭和町、富士川町、西桂町、山中湖村、鳴沢村、小菅村、道志村、丹波山村
長野県 長野県、飯山市、千曲市、中野市、佐久市、須坂市、駒ケ根市、小諸市、塩尻市、松本市、伊那市、安曇野市、佐久穂町、御代田町、立科町、高森町、生坂村、小海町、上松町、箕輪町、池田町、坂城町、小布施町、飯島町、辰野町、南木曽町、木曽町、阿南町、大鹿村、小川村、王滝村、野沢温泉村、栄村、泰阜村、川上村、南牧村、小谷村、喬木村、宮田村、中川村、南箕輪村、高山村、山形村、木島平村、南相木村、下條村、根羽村、天龍村
岐阜県 笠松町
愛知県 名古屋市、東海市、豊橋市、一宮市、田原市、高浜市、愛西市、知多市、日進市、春日井市、刈谷市、稲沢市、大府市、長久手市、津島市、蒲郡市、江南市、清須市、豊明市、犬山市、弥富市、岡崎市、常滑市、扶桑町
三重県 三重県、名張市、鈴鹿市、亀山市、松阪市、四日市市、熊野市、志摩市、桑名市、伊賀市、多気町、玉城町、南伊勢町、御浜町、大台町、大紀町、明和町
滋賀県 東近江市
京都府 京都市、八幡市、精華町
大阪府 枚方市、羽曳野市
兵庫県 神戸市、西宮市、加古川市、高砂市、伊丹市、赤穂市、川西市、相生市、芦屋市、三木市、三田市、養父市、宍粟市、宝塚市、猪名川町、香美町
奈良県 葛城市、川西町、三郷町、広陵町、河合町
和歌山県 和歌山県、橋本市、海南市
鳥取県 鳥取市、境港市、倉吉市、智頭町、八頭町、北栄町、大山町、南部町、日南町、三朝町、日野町、湯梨浜町、琴浦町、江府町、日吉津村
島根県 松江市、吉賀町
岡山県 岡山市、総社市、浅口市、玉野市、真庭市、倉敷市、井原市、新見市、吉備中央町、早島町、奈義町、和気町、矢掛町
広島県 広島市、呉市、大竹市、尾道市、庄原市、福山市、三次市、廿日市市、東広島市、北広島町、神石高原町
香川県 香川県
高知県 高知県、土佐清水市、香美市、安芸市、いの町
福岡県 大野城市、宮若市、田川市、行方市、古賀市、北九州市、福岡市、朝倉市、大牟田市、直方市、柳川市、小郡市、みやま市、うきは市、嘉麻市、みやこ町、新宮町、広川町、筑前町、大刀洗町、香春町、福智町、東峰村
佐賀県 佐賀県、神埼市、唐津市、小城市、鳥栖市、多久市、吉野ケ里町、基山町、みやき町、上峰町
熊本県 熊本県、水俣市、玉名市、上天草市、天草市、菊池市、芦北町、山都町
大分県 大分県、豊後高田市、宇佐市、日田市、国東市、臼杵市、中津市、九重町、玖珠町、姫島村
宮崎県 宮崎県、宮崎市、都城市、延岡市、国富町、綾町
鹿児島県 鹿児島県、志布志市、伊佐市、曽於市、出水市、いちき串木野市、枕崎市、阿久根市、出水市、指宿市、西之表市、垂水市、霧島市、南さつま市、奄美市、南九州市、姶良市、さつま町、長島町、湧水町、錦江町、南大隅町、屋久島町、瀬戸内町、徳之島町、伊仙町、和泊町、与論町、東串良町、中種子町、大和村、宇検村
沖縄県 糸満市
(畑野君枝室、参議院請願課提供資料、全国市議会議長会意見書ボックス、日本共産党都道府県委員会調べなどから作成。今年に入って採択されたもの。12日現在)