2020年11月13日(金)
米大統領選挙結果うけ志位委員長が見解
日本共産党の志位和夫委員長は12日の記者会見で、米大統領選結果について、次の見解を明らかにしました。
一、米大統領選の結果については、8日に簡潔なコメントを発表しているが、民主党のバイデン前副大統領の当選が確実視される状況となるもとで、わが党の見解をまとまってのべることにしたい。
一、現職トランプ氏は4年前、格差・貧困の拡大、多国籍企業中心の経済のあり方、海外での戦争など、米国社会が抱える深刻な問題と既成政治を批判して当選した。しかし、何ら問題は解決されず、移民・人種差別問題など社会の分断の深刻化に加え、新型コロナ対策での混迷と失政によって、厳しい審判を受ける結果となった。
選挙戦を通じ、トランプ政治によってあおられた対立と分断の克服に向け、白人、黒人、ヒスパニック、アジア系、先住民などの枠を超えて、青年層をはじめ、女性、マイノリティーを含む草の根での広範な抵抗運動のうねりがわき起こり、この結果に結びついたことは、特筆すべきことだと考えている。
一、バイデン次期政権は、国際協調に背を向けてきたトランプ政権の「アメリカ第一」政策を、どこまで転換するかが問われる。米国が一方的に離脱した気候変動対策のためのパリ協定や、脱退を通告している世界保健機関(WHO)を通じたパンデミック対策などで、どのような政策を提示するのか、注目していきたい。
バイデン政権与党となる民主党は、この間の市民運動の強まりを背景に、富裕層・大企業への公正な課税、時給15ドルへの最低賃金の引き上げ、医療分野での公的な国民皆保険制度の導入、公的な高等教育の無償化など、行き過ぎた新自由主義への一定の是正をはかる方向性をもった政策を党の政策綱領として採択している。公約実現に向けた取り組みを注目したい。
一、日米関係については、バイデン氏が、米国を中心とした軍事同盟網の「再強化」を掲げるもとで、沖縄をはじめとした米軍基地負担増を求めてくることが、強く警戒される。
異常な対米従属から抜け出し、対等・平等の日米関係を築くためには、日本の政治を変えることが必要であり、そのためのたたかいをさらに発展させる決意である。とりわけ、沖縄の新基地建設を許さず、基地のない平和な沖縄を実現するたたかいに力をつくすことを、この機会に重ねて表明したい。