2020年11月5日(木)
菅首相 今日も支離滅裂
のらくら 長々 矛盾答弁
学術会議介入 志位氏追及に
菅義偉首相による日本学術会議への人事介入をめぐり、日本共産党の志位和夫委員長が任命拒否の違法性・違憲性を徹底追及した4日の予算委員会。菅首相は、質問内容にかみ合わない、支離滅裂で矛盾した答弁を繰り返しました。(岡素晴、丹田智之)
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菅首相は、志位氏が質問している最中にもかかわらず、蛍光色のマーカーで多くの線を引いた原稿に、しばしば目を落とし続けました。質問や自分以外の答弁を聞いているのか、顔を上げることなく、原稿のつづりを繰り返しめくる様子も。
志位氏は、任命拒否の判断をした背景に、菅首相が学術会議の会員の「多様性」を持ち出していることに言及しました。志位氏は、15年という時間の幅で見れば、出身大学の偏りや女性の比率が改善されているデータを示しながら、改善の努力がはかられているではないかと強調。これに対し、菅首相も「そういう努力をしていることは承知している」と認めざるを得ませんでした。
しかし、そう述べた直後に菅首相は、再び出身大学の偏りを持ち出します。「(任命拒否で偏りを)悪化させているじゃないか」との声が野党席から飛び出すと、不自然に右手をせわしなく上下させ、いら立ったのか答弁台をたたくようなしぐさを見せました。
質問にまともに答えず、はぐらかす場面も再三ありました。
志位氏は冒頭に、6人を任命したら学術会議の総合的、俯瞰(ふかん)的活動に支障をきたすとの認識なのかについて、「イエスかノー」で端的に答えるよう迫りましたが、菅氏はまともに答えず約3分間も長々と答弁しました。
これには野党側からは一斉に「長い」「時間の浪費だ」の批判が上がります。さらに立憲民主党や国民民主党の委員らもそろって席を立ち、菅首相への注意を求めて金田勝年予算委員長に詰め寄る一幕がありました。
予算委の閉会後、立憲民主党のある国対幹部は「志位さんの質問はよかった。菅首相が『通常の公務員の任命と同じように個別の人事については答えられない』と述べたことに驚いた。日本学術会議の会員は一般の公務員とは全く違う。首相は基本的な法律の枠組みを理解していないのではないか。あまりにもひどい」と話しました。