2020年11月4日(水)
南西諸島全域を戦場化
日米共同演習 機動展開
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2年に一度行われる日米共同統合実動演習「キーン・ソード21」(10月26日~5日)の一環として、鹿児島県十島村の無人島・臥蛇島(がじゃじま)で10月30日から1日にかけて、陸上自衛隊水陸機動団約100人と、在沖縄米海兵隊約40人による上陸・戦闘訓練が行われました。
訓練は非公開ですが、防衛省統合幕僚監部によると、陸自CH47ヘリと沖縄・普天間基地所属の海兵隊MV22オスプレイによるヘリボーン(兵員・装備の展開)、ボートによる上陸と戦闘訓練などが実施されました。援護射撃を想定したF2戦闘機が周辺空域を飛行。沖合には日米の艦船が展開するなど、島を戦場に見立てた訓練が行われました。
ただ、日米部隊による機動展開は臥蛇島だけにとどまりません。鹿児島県の有人離島、奄美大島、種子島、沖永良部島、徳之島でいっせいに訓練を実施。さらに沖縄本島、久米島、宮古島から、日本最西端の与那国島と、南西諸島全域で同時に訓練が行われます。
これらは中国が西太平洋に進出する際に突破する「第一列島線」とされています。米海兵隊は南西諸島に小規模部隊を機動展開し、島しょ部から中国の艦船・航空機を攻撃する(遠征前進基地作戦=EABO)の具体化を進めており、奄美・宮古・石垣などの各島の日米共同基地化も懸念されています。
日米一体になっての南西諸島全域への機動展開は、米中の軍事衝突に自衛隊を巻き込み、人が生活する島を戦場にする危険をはらんだものです。