しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2020年10月31日(土)

なくすな大阪市

巨額の不足 あわてる維新

「茨の道」明るみに

 維新の会があわてています。大阪市を分割すると巨額の不足が生じ、「茨(いばら)の道」を歩むことが明らかになってきたからです。

 住民に対する最低限の行政サービスを実施するために毎年必要なコストを「基準財政需要額」といいます。そこから税収の75%を引いて不足する金額が地方交付税として国から交付されます。

 市を分割すればスケールメリットがなくなり、コストは増大します。例えば4人家族がそれぞれ分かれて暮らすようになったら、費用は当然それまでよりも増えます。ところが、都区制度は大阪市が存続しているとみなして算定するため、交付される交付税に不足が出てしまいます。これが、専門家も「茨(いばら)の道」と指摘する仕組みです。

 武田良太総務相も維新の馬場伸幸幹事長の質問に「特別区の区域全体をひとつの市町村とみなして算定」するとし、交付税額は「基本的に従前と同水準」と答弁(29日の衆院本会議)しました。

 もし、四つに分割しても行政コストは変わらないとすれば、標準的な住民サービスが削られることになります。それは「『四つある1人暮らしの家』には家計全体としての経費を下げるために、テレビやエアコンなどが備わっていないのと同じ」(森裕之立命館大学教授)ことです。

 馬場氏が国会質問で「大阪都」構想では、「行政の実態を十分に踏まえた財政シミュレーションを策定し公表してきた」と胸をはったのにはあきれます。同シミュレーションは新型コロナの影響をまったく除外し、大阪メトロの配当金・市税見込み額を大幅に上乗せし「どの年度も特別区はマイナスになりません」(松井一郎大阪市長)という代物だからです。(辺)

図

pageup