2020年10月29日(木)
なくすな大阪市
分割で毎年200億円不足 住民サービス維持できへん
辰巳氏の解説動画に反響
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大阪市を四つの自治体に分割した場合、標準的な行政サービスを実施するために毎年必要なコスト(「基準財政需要額」)はどうなるのか。現在よりも約218億円増えることが市財政局の試算で明らかになったと「毎日」が26日付夕刊(大阪本社版)で報じて、「やっぱり」と大騒ぎになっています。大阪市を廃止し四つの特別区に分割した場合、200億円ほど増えるのではないかと繰り返し指摘されてきたからです。
住民サービスが維持できるかどうかが住民投票(11月1日)で大きな争点になる中、同問題を解説した日本共産党の辰巳孝太郎前参院議員の動画が「なるほど、そういうことか」「こりゃ、えらいこっちゃ」と反響を呼んでいます。
辰巳氏はまず、「基準財政需要額」について、「どんな自治体でも最低限の住民サービスを提供するためのコストのことです」と説明。「そこから実際の税収の75%を引いて不足する金額が地方交付税として国から交付されます」
では、大阪市が4分割されると基準財政需要額の合計はどうなるのか。「スケールメリットが失われるので本来は増加します。しかし、都区制度(大都市地域特別区設置法)は法令上、大阪市が存続しているとみなして基準財政需要額が算定されるので、交付される地方交付税に不足が出てしまうのです。この金額が年間218億円だというのです」
「大阪都」構想の制度案では、消防などの事務が府に移管されるので毎年の不足額は200億円程度になるのではないかとの見方もありますが、この巨額の不足額は何を意味するのでしょうか。
辰巳氏はズバリ指摘します。「子ども医療費助成が77億円、敬老パスが43億円、給食費無償が77億円ですが、これらの規模の施策が吹っ飛ぶほどの規模なのです。『都』構想は専門家が指摘したようにまさに『茨(いばら)の道』なのです」