2020年10月27日(火)
なくすな大阪市
大阪の未来へ投票を
絵本作家 長谷川義史さんに聞く
行政だって手厚い方がいい
大阪市廃止を問う住民投票(11月1日)が迫る中、絵本作家の長谷川義史さんが描いた絵が話題です。絵には「大阪市廃止に反対!!」の文字とともに、難波(なにわ)橋の有名なライオン像が描かれ「大阪市なくなってほんまにええんか よー考えてや!」と訴えています。長谷川さんに思いを聞きました。(速水大地)
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「『都』構想で二重行政のムダをなくす」と盛んに宣伝されてますが、僕にはムダだと思えないんです。
ないとしんどい
例えば、コロナ禍で楽しい出来事がものすごく奪われましたよね。遊びに行ったり、おいしいもん食べたり、人と会ったり、芝居や映画見たり、コンサート行ったり―それって、なくても生きていけるかもしれへんけど、なかったらものすごくしんどい。それがこの間わかって、みんな疲弊してますよね。僕たちが日常生活を送る上で、必要不可欠でないようにみえることでも、とても大切なことがある。そういったものを「ムダ」だといってどんどん省いていったら、弱い人にしわ寄せがいきます。だから、行政だって二重で手厚い方がいいに決まってるんです。
大阪は独自の文化があって、個性的でいろんな考えの人がエネルギッシュに活動している街。お上(かみ)がムチャなこと言うても、黙って従うような精神の街ではないと思うんです。けど、大阪市が廃止され特別区になってしまうと、ものを言えなくなる大阪になってしまいます。
絵に込めた願い
大阪市に住んで30年、なくなるのはやっぱりいやです。大阪市がなくなるということは、そこに住んでいる人にとって、家も名前もなくなってしまうようなことです。普通の選挙と違い、今回の住民投票は一度決まったら元に戻せない。
この絵は、大阪市廃止への反対表明でもあるけど、それだけじゃありません。自分のことだけじゃなく、若い人たち、これから生まれてくる子どもたちの未来のために、立ち止まって考えて投票に行ってほしいという願いなんです。