2020年10月24日(土)
バルサ選手に差別記事
「さながら警察から逃げる黒人」
スペイン紙が批判受け謝罪
【ベルリン=桑野白馬】スペイン紙ABCは22日、FCバルセロナに所属するギニアビサウ出身のアンス・ファティ選手(17)に対する人種差別的な記事に関して謝罪しました。
バルセロナは20日に行われた欧州チャンピオンズリーグ(CL)の1次リーグ第1戦を5―1で勝利。先発出場を果たしたファティ選手はゴールを決め、CLで18歳になる前に複数得点をした初めての選手となりました。
この試合をリアルタイムで報じたABC(ウェブ版)の記事の中でサルバトール・ソストレス記者はファティ選手について、動物のガゼルのように速く「さながら警察から逃げる黒人の路上の物売りのようだ」などと記載しました。
これに対し、バルセロナで同僚のフランス代表アントワーヌ・グリーズマン選手はツイッターに「アンスは他の人間と同じように尊敬されるべき特別な選手だ。人種主義も無礼も許されない」と投稿。
バルセロナのアダ・コラウ市長はツイッターで、肌の色だけで偏見を持たれ差別された経験を持つすべての人への連帯を表明。「ABC紙は人種主義を捨て謝罪すべきだ」と批判しました。
ソストレス記者は22日、声明を発表し、ファティ選手の「動きの美しさを褒めようという意図だった」と釈明。「誤解を与えたことを深くおわびし、謝罪する」と表明しました。