2020年10月24日(土)
松井市長の発言はウソだった
特別区「黒字」上振れグラフ 市財政局作成ではなかった
情報公開請求で明らかに
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大阪市廃止を問う住民投票(11月1日)をめぐり、大阪維新の会代表の松井一郎大阪市長のテレビ討論での発言が、事実に基づかないものであったことが大阪市の財政局への情報公開請求により明らかになりました。
問題となっているのは、毎日放送(MBS)の情報番組「ミント!」が12日に生放送した「都」構想についての各党代表による討論会での発言です。番組内で松井氏は「大阪市の決算ベースの平均」から試算した財政シミュレーションとして上振れのグラフを示しながら、「都」構想により特別区の財政は大幅な黒字が続くと主張しました。これに対して日本共産党の山中智子市議団長は「法定協議会にも一度も出ていないものだ」「一体誰が作ったものなのか」と追及。松井氏は「これは維新で勝手に作っているわけじゃない」「大阪市の財政当局が計算したもの」などと“反論”しました。
しかし、市民が情報公開請求をしたところ、財政局から19日に、「『大阪市の決算ベースの平均』のシミュレーションについて、財政局として作成・検討・説明した経過はない」と回答があり、松井氏の発言は誤りであったことが明らかになりました。回答書には「大阪市長松井一郎」の署名もあります。
松井氏は22日の記者会見で、「役所に確認した決算の数字の平均値をとって維新が作成したもの」と認める一方で、「何が問題なの」と開き直りました。
新型コロナウイルスなどの影響を一切反映していない甘い見通しの財政シミュレーションを、あたかも財政局からの“お墨付き”であるかのように主張するのは、悪質だといわざるを得ません。(侃)