2020年10月22日(木)
子ども6人に1人「極度の貧困」
ユニセフなど分析
国連児童基金(ユニセフ)と世界銀行グループ(国際復興開発銀行〈IBRD〉など5機関)は20日、子どもの貧困に関する最新の分析を公表し、世界で推定3億5600万人、6人に1人の子どもが「極度の貧困」(1日1・90米ドル=約200円=未満で生活)におかれていると明らかにしました。これは新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的流行)以前の状況であり、パンデミックでさらに悪化する恐れがあると警告しました。
ユニセフの発表によると、極度の貧困にある子どもの3分の2がサハラ以南のアフリカ、5分の1が南アジアに住んでいます。
子どもは世界人口では約3分の1ですが、極度の貧困におかれている人の約半数は子どもです。途上国の5歳未満の子どもの約20%が極度の貧困にある家庭で暮らしています。
極度の貧困にある子どもは2013~17年に2900万人減っています。ただ、サハラ以南のアフリカでは、13年の1億7000万人から17年には2億3400万人へと6400万人増加しました。
子どもの貧困がより顕著なのは、不安定な国や紛争の影響を受ける国です。これらの国では、40%以上の子どもが極度の貧困にあります。
また、新型コロナの危機で、大部分の国々が現金給付を拡大していますが、その多くは短期的で、規模でも長期にわたる復興に対応するためにも十分ではありません。
ユニセフのウィジェセケラ・プログラム局長は、パンデミックによる経済的苦難が事態をさらに悪化させるとして、「子どものための改善計画が早急に必要だ」と各国政府に求めています。