2020年10月20日(火)
データ消去 元法相依頼
案里公判業者調書 疑惑報道後に
昨年7月投開票の参院選をめぐる大型買収事件で公職選挙法違反(買収など)の罪に問われている参院議員の河井案里被告の公判が19日、東京地裁でありました。元法相で衆院議員の克行被告=案里被告の夫、同罪で起訴=の依頼でパソコンデータの消去などをしたネット事業者の調書を、検察官が朗読しました。
調書によるとこの業者は、週刊誌が河井陣営の選挙違反を報じた後の昨年11月、克行被告に呼ばれ、議員宿舎の同被告のパソコン内のデータを市販のソフトで復元できないように消去しました。
その後、克行被告から衆院議員会館の通行IDと同被告の自宅の鍵を預かり、議員会館の同被告控室のパソコンと、広島県内の同被告の自宅のパソコンのデータも消去する作業をしたといいます。
初公判での検察の冒頭陳述によると、消去されたデータには現金の提供先と額を記した克行被告作成のリストが含まれていました。
この業者は「ネット広報のコンサルタント業」を営んでいるといい、克行被告の過去の選挙でも仕事を請け負ったと説明しました。
また、案里被告が自民分裂選挙で初当選した昨年7月の参院選では、対立する自民現職陣営のイメージを悪くするため「ネガティブな事実を示した。具体的には架空の人物になりすまし、ブログに現職陣営が案里さんをいじめているような投稿をした」と説明。「独断ではなく、内容は克行代議士の指示に従った」としました。