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2020年10月9日(金)

「極貧」人口 年内に7.3億人

来年も想定より1億5000万人増

世銀報告

 世界銀行は7日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)により、2021年末までに1億5000万人が新たに極度の貧困に陥る可能性があるとの報告書を発表しました。

 報告書は、1日1・9ドル(約200円)未満で生活する極貧人口が、今年中に世界人口の9・4%、約7億2900万人になると推計。21年末もこれまでの想定より1億5000万人増加する可能性があると指摘しました。

 19年の極貧人口は約8・4%と推測され、21年には7・5%に低下すると見込まれていましたが、地域紛争や気候変動の影響に加え、新型コロナウイルスが直撃。世界銀行は30年までに極貧人口を3%に減少させることを目標としていましたが、迅速で実質的な方策が実行されない限り、達成は困難だとしています。

 これまで、極貧層は地方に集中する傾向にありましたが、コロナ禍の都市封鎖による失業や需要の低下で、都市の住民にも極貧人口が広がったことが明らかになりました。

 世界の最貧国が集中するサハラ砂漠以南のアフリカ諸国では、極貧人口の増加がより顕著です。21年には極貧人口が5000万人以上増加することが予測され、同地域に住む42%の人々が極度の貧困の状態に陥ります。

 世界銀行はそれぞれの国で極貧者の4割について所得を上げる取り組みを掲げ、91カ国・地域のうち74カ国・地域で実現しました。しかし、新型コロナの影響でその取り組みが停滞するだけでなく、所得は減少し、より格差が拡大するのではないかと懸念を示しています。(石黒みずほ)


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