2020年10月8日(木)
「推薦に基づき全員任命」文書存在
学術会議人事介入 塩川議員追及で判明
衆院内閣委
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日本共産党の塩川鉄也議員は7日の衆院内閣委員会で、日本学術会議が新会員として推薦した6人の任命を菅義偉首相が拒否した問題について追及しました。この中で内閣府は1983年の同会議法改定の際の「任命は形式的なもの」などの一連の国会答弁は認識しているとし、内閣法制局も「推薦に基づき全員を任命する」とした文書の存在を明らかにしました。菅首相の任命拒否が、国会審議で確定した法の解釈をねじ曲げた違法な行為だと事実上認めた形です。
塩川氏は、任命拒否は「日本の学術全体の問題であり、国民に対する挑戦だ」と批判しました。その上で、会員の公選制から推薦制に改めた83年の法改定の際、推薦と任命の関係が1年かけて徹底的に議論されていると指摘。「(推薦は)210名ぴったりを出していただく。それを形式的に任命行為を行う」(83年5月12日、総理大臣官房総務審議官)、「(推薦を)その通り内閣総理大臣が形式的な発令行為を行うというように条文を解釈している。内閣法制局における法律案の審査の時に十分詰めた」(同日、総理大臣官房参事官)などの答弁を示しました。
これに対し、内閣法制局の木村陽一第一部長は「説明資料と思われる資料のなかに推薦人の推薦に基づいて全員を任命することになっているという記述がある」と答弁。塩川氏は「法案審議で十分詰めた結果全員任命することになっている。それを後付けで改めようとするのが今のやり方だ」と批判しました。
塩川氏はまた、83年当時の「推薦をしていただいた者は拒否はしない」との政府答弁も示し、「総理大臣が形式的に任命するという法律のスキーム(制度)も変わっていない」と指摘。日本学術会議の福井仁史事務局長は「スキームは変わっていない」と認めました。
一方で、内閣府の大塚幸寛官房長は、一連の国会答弁を認め「法解釈は変更していない」としながら、「憲法15条の公務員の選定罷免権が国民固有の権利であるという考え方からすれば、任命権者たる総理大臣が推薦の通り任命しなければならないというわけではない」などと強弁しました。