しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2020年10月3日(土)

学問の自由侵害 首相に拒否権ない 説明責任果たせ

学術会議任命拒否の3氏 野党ヒアリング

 日本学術会議が推薦した6人の会員候補の任命を菅義偉首相が拒否した問題で、野党は2日、国会内で野党合同ヒアリングを開き、任命を拒否された会員候補の3氏が「学問の自由の侵害」「首相に任命拒否権は事実上ない」と証言しました。(3氏発言詳報)


写真

(写真)学術会議推薦者外し問題の野党合同ヒアリング=2日、国会内

 小澤隆一東京慈恵会医科大学教授(憲法学)は、日本学術会議は独立して運営されるべきであり、新型コロナ危機の対応で明らかになったように、専門家の意見は国民の生命、安全にかかわると指摘。任命拒否は、学問の自由への侵害だと述べました。

 岡田正則早稲田大学教授(行政法学)は「理由のない行政処分はない」として、首相の説明責任を果たしてほしいと語りました。

 松宮孝明立命館大学教授(刑事法学)は、「首相に任命権はあるが、任命拒否権は事実上ない」と強調し、憲法6条で、天皇による総理大臣への任命権はあるものの任命拒否権はないのと同じと考えていいと語りました。

 一方、内閣府と内閣法制局へのヒアリングで、野党は、1983年の日本学術会議法改定の際の審議で、政府が「学会の方から推薦をしていただいた者は拒否はしない」と答弁したことを示し、法解釈の変更の有無をただしました。

 内閣法制局の担当者は「法解釈を変えたわけではない」と回答。任命拒否の法的根拠は答えませんでしたが、2018年に同法7条の「推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する」の解釈をめぐる合議を内閣府と内閣法制局で行ったことを明らかにしました。

 また、任命拒否の判断はいつ、だれがしたかについて、内閣府の担当者は今年8月31日に日本学術会議から105人の推薦名簿を受理し、菅政権発足後の9月24日に任命の起案をし、同月28日に99人の任命を決裁したと説明。任命を拒否した経緯については、「人事に関する事柄」だとして答えませんでした。


pageup